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インド最高裁、野良犬捕獲命令を改定、市民の抗議受け

最高裁は先週初め、デリー当局に対し、市内にいる全ての野良犬を捕獲し、不妊手術を施した上で保護施設に移送するよう命じていた。
インド、首都ニューデリーの動物愛護センター(Getty Images)

インドの最高裁判所は22日、ニューデリー当局に対する野良犬捕獲命令を見直し、デリーとその周辺地域で捕獲した野良犬に不妊手術と狂犬病のワクチン接種を行った後、解放するよう命じた。

最高裁は先週初め、デリー当局に対し、市内にいる全ての野良犬を捕獲し、不妊手術を施した上で保護施設に移送するよう命じていた。

この決定後、動物愛護団体から苦情が殺到。市内で激しいデモが行われた。

動物愛護団体や批評家はこの命令を「実行不可能」と非難。ニューデリーの野良犬の数は50万~100万匹と推計されている。

多くの動物愛好家がこの決定に抗議して街頭デモを行った。

地元メディアによると、活動家たちは最高裁に判決の撤回を求めるオンライン請願を開始。応じない場合は「取り返しのつかない事態になる」と警告した。

野党と著名人もこの決定を批判し、撤回を求めていた。

最高裁は先週の決定の中で、まず高リスク地域にいる5000頭の野良犬を捕獲し、6~8週間以内に適切なスタッフと防犯カメラを備えたシェルターに送るプロセスを直ちに開始するよう指示した。

最高裁が5000匹という数字をどのように導き出したかは不明である。

しかし、最高裁は22日、デリーとその周辺で捕獲した犬は攻撃的な行動や狂犬病に感染している場合を除いて、不妊手術とワクチン接種を受けた後に解放すると発表した。

最高裁は子供が野良犬にかまれる事件が相次いでいることを受け、今回の決定に至ったが、見直しを余儀なくされた。

狂犬病は中枢神経系に侵入するウイルスによって引き起こされる。治療せずに放置すると、ほぼ100%死亡する。

インドでは年間約2万人が狂犬病で死亡していると推定されている。これは世界で最も多く、当局によると、狂犬病の感染源の95%以上が野良犬である。

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