スポンサーリンク
▽トランプ米大統領はソーシャルメディアへの投稿で停戦を仲介したと発表した。
2025年5月10日/パキスタン、カシミール地方、停戦報道に歓喜する人々(Getty Images/AFP通信)

インドとパキスタンが10日、完全かつ即時の停戦に合意した。パキスタン外務省が明らかにした。

インド政府もその後まもなく、合意したことを確認した。

トランプ(Donald Trump)米大統領ソーシャルメディアへの投稿で停戦を仲介したと発表した。「米国が仲介した協議の末、インドとパキスタンが完全かつ即時の停戦に合意したことを発表できることをうれしく思う。両国が常識と優れた知性を駆使したことを祝福する。この件に関心を寄せていただき、ありがとうございます」

ルビオ(Maro Rubio)米国務長官は声明で、この2日間、バンス(JD Vance)副大統領とルビオ氏がインドおよびパキスタンの高官と電話で話し、停戦を仲介したことを確認した。

ルビオ氏は「両国の首脳が和平の道を選んだことを称賛する」と述べた。

パキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は10日、トランプ氏の「リーダーシップと積極的な役割」に謝意を示し、「停戦はこの地域を悩ませてきた問題の解決における新たな始まりを意味する」と述べた。

インド当局は停戦発表に先立ち、記者会見で、パキスタンがインド全土の26箇所を攻撃し、パキスタン軍は部隊を前方地域に移動させ始めたと述べていた。

インドのジャンムー・カシミール州で観光客が殺害されて以来、両国間の緊張は一気に高まり、本格的な戦争に発展する可能性も出ている。

この事件はジャンムー・カシミール州近郊の山岳地帯にある観光地で4月22日に発生。正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。その多くがインド人であった。

インド政府はこの地域に陸軍を派遣し、容疑者を追跡している。

インド政府はこの事件を受け、パキスタン国民に発行したすべてのビザ(査証)を剥奪した。

パキスタンはインドの外交スタッフの削減、両国間で唯一機能している陸上国境の閉鎖、インドとの水共有条約を停止するなどの対抗措置を発表した。

またパキスタンはインドが所有または運営するすべての航空会社の領空への進入を禁じ、インドとの貿易を停止した。インド側も同様の措置を取っている。

インド政府はこの事件にパキスタン政府が関与したと主張しているが、その証拠は示していない。

パキスタン政府は関与を否定し、国連と国際社会に中立的な調査を求めてきた。

パキスタン軍の報道官は10日、インド軍が国内の3つの空軍基地に向けてミサイルを発射したが、防空部隊がそのほとんどを撃墜したと明らかにした。

インド軍は6日未明、パキスタンの統治下にあるカシミールに向けてミサイルを発射。パキスタン軍によると、ミサイルはカシミールと東部パンジャブ州に着弾し、女性や子供を含む少なくとも31人が死亡、大勢が負傷したという。

双方はこのミサイル攻撃以来、カシミールの境界で激しい銃撃・砲撃戦を繰り広げており、パキスタンは多数のインド兵を殺害したと主張している

インド当局は戦闘が始まって以来、カシミール地方で19人の民間人が死亡したと報告。パキスタン側は17人の民間人が死亡したとしている。

インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。

カシミールでは24年9月末頃から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれてきた。

カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。

インド政府は2019年、「歴史的大失態」の是正として、70年間に渡って認めてきたジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪した。

ジャンムー・カシミール州はインドで唯一、イスラム教徒が多数派の州であり、ヒンズー政策を推進する政府と何度も対立してきた。

インドは21年、射程5000キロの核搭載可能大陸間弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験に成功。これは長距離地対地弾道ミサイルである。

インドは1947年にイギリスから独立して以来、パキスタンと3度の戦争を戦ってきた。これらのミサイルはパキスタンの全国土を射程に収めている。

パキスタンも核保有国であり、中長距離ミサイルの開発を進めている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク