◎ドラウパディ・ムルム氏は東部オディシャ州の先住民族サンタル出身。先住民族出身者の大統領就任は初、女性としては2人目。
インド政府は21日、新大統領にドラウパディ・ムルム(Droupadi Murmu)前ジャルカンド州知事が選出されたと発表した。
インドの大統領は連邦議会と州議会の間接選挙で選出される。投票は18日に行われた。
ムルム氏は東部オディシャ州の先住民族サンタル出身。先住民族出身者の大統領就任は初、女性としては2人目。
ムルム氏は与党インド人民党(BJP)から擁立され、野党のシンハ(Manoj Sinha)元外相との一騎打ちを制した。
就任式は来週25日に行われる予定。
ムルム氏は学校の教師を経て政界入りし、BJPの議員を2期、2015年から2021年までジャカルタ州の知事を務めた。
ムルム氏の父と祖父はオディシャ州の集落の元村長。
モディ(Narendra Modi)首相は21日、ムルム氏の勝利をツイッターで祝福した。「彼女が優れた大統領になることを確信しています」
またモディ氏は先住民族出身であるムルム氏の選出を「記録的な出来事」と称賛した。
ムルム氏の支持者は同氏の勝利を「歴史的」と呼び、花火や爆竹を鳴らした祝った。
先住民族コミュニティはムルム氏が遠隔地の町や集落に変化をもたらしてくれると信じている。遠隔地の医療や教育は都市部に比べると明らかに不足している。
インドの大統領の権限は限られているが、最高意思決定機関の連邦議会が機能不全に陥った時には権限が強化されることもある。
まもなく任期を終えるコビンド(Ram Nath Kovind)大統領はカースト最下層「ダリット」の出身だが、国家元首に上り詰めた。
野党のシンハ氏は2018年の経済問題でモディ氏と対立し、BJPを離党。それ以来、モディ政権を声高に批判してきた。
副大統領を選出する投票は8月に行われる予定。