◎アショーカの獅子柱頭は4頭のインドライオンが背中合わせに並ぶインドで発見された彫刻であり、1950年にインドの国章に採用された。
2022年7月11日/インド、首都ニューデリー、建設中の新国会議事堂、国章の「アショーカの獅子柱頭」の像(Getty Images)

インドのモディ(Narendra Modi)首相は11日、首都ニューデリーで建設が進む新国会議事堂の頂部付近に鎮座する国章「アショーカの獅子柱頭」のブロンズ像を公開した。

アショーカの獅子柱頭は4頭のインドライオンが背中合わせに並ぶインドで発見された彫刻であり、1950年にインドの国章に採用された。

ブロンズ像の高さは6.5m、重量は9500kgで、圧倒的な存在感を放っている。

しかし、多くの批評家とSNSユーザーがこの像に疑問を投げかけた。

ある批評家はライオンから慈悲深さが消えたと批判し、SNSユーザーは「無駄吠え」しているように見えると一蹴した。

モディ氏は11日、ライオンズの除幕式に出席し、SNSに写真と動画を投稿した。

政府報道官はライオンズを称賛し、「新国会議事堂は脱植民地を象徴する施設になるだろう」と語った。

しかし、SNSユーザーはライオンズの表情がオリジナルとは明らかに異なり、「慈悲深さが消え、ガオーと猛り狂っているように見える」と批判した。

あるツイッターユーザーは、像を「モディライオン」と呼び、フェイスブックユーザーは「銅像の費用を経済対策に回すべき」と批判した。

新国会議事堂はモディ政権が推し進めるニューデリー政府機関近代化プロジェクトのひとつである。プロジェクトの総工事費は予算要求時点で2000億ルピー(約3450億円)。

野党はモディライオンと近代化プロジェクトを「無駄遣い」と批判している。

野党インド共産党は11日の声明で、「モディの除幕式出席は、モディが代表する行政府と、新国会議事堂の立法府の癒着を意味している」と主張した。「モディは三権分立を無視しています。モディライオンがその証拠です」

報道によると、野党関係者はモディライオンの除幕式に招待されなかったという。

新国会議事堂は2022年8月の独立75周年記念式典までに完成する予定だったが、報道によると、工期は2カ月ほど伸びる予定だという。

2022年7月11日/インド、首都ニューデリー、建設中の新国会議事堂、モディ首相と「アショーカの獅子柱頭」の像(Getty Images)
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