◎インド政府が管理するカシミールの支配エリアはインドからの独立およびパキスタンへの編入を求める1989年の武装蜂起以来、紛争が絶えない。
インドの警察当局は18日、北部カシミール地方で男性労働者2人が手榴弾攻撃を受け死亡したと発表した。
地元メディアによると、2人はジャム・カシミールの南部地区で殺害されたという。地元警察は容疑者を逮捕したとしているが、身元は明らかにせず、容疑者を「テロリスト」と呼んだ。
警察の報道官によると、容疑者は17日遅くに南部地区の賃貸住宅に手榴弾を投げ込んだという。2人は病院で治療を受けたものの、死亡した。
容疑者と死亡した2人の関係は不明。報道によると、2人は北部ウッタルプラデシュ州出身で、日雇いで働いていたという。
この事件の2日前には別の地区でヒンズー教徒の男性が射殺されている。容疑者は捕まっていない。
インド政府が管理するカシミールの支配エリアはインドからの独立およびパキスタンへの編入を求める1989年の武装蜂起以来、紛争が絶えない。この蜂起では民間人、反政府勢力、政府軍兵士数万人が犠牲になったと推定されている。
インド政府は、カシミール地方の武装勢力はパキスタン政府の支援を受けていると主張しているが、パキスタンはこの疑惑を否定している。
カシミール地方では昨年10月以降、殺人事件が相次いでおり、日雇いの出稼ぎ労働者も殺害されている。
またイスラム教徒の村議会議員、警察官、民間人なども殺害されており、この地域で活動する人権団体は「ヒンズー教徒の報復」と非難している。
インド政府は2019年にこの地域の半自治権を剥奪し、土地や仕事に関する保護を取り除いた後、反対意見や報道の自由を締め付け、武装勢力の取り締まりを強化してきた。