◎M痘が空気感染を起こした事例は確認されておらず、感染者の体液や血液に触れると感染する可能性がある。
インドの保健省は8日、男性1人がM痘(エムポックス)に感染し、病院で治療を受けていると明らかにした。
それによると、この男性は最近、M痘が流行している国に渡航していたという。国名は明らかにされていないが、アフリカとみられる。
保健省は声明で、「男性の容態は安定しており、病院で医師の問診などを受けている」と述べた。
また保健省は男性と接触した可能性がある人を特定するために、関係機関が連携して調査に当たっているとした。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。
M痘が空気感染を起こした事例は確認されておらず、感染者の体液や血液に触れると感染する可能性がある。
同省は男性がM痘のどの株に感染しているか明らかにしなかった。アフリカ中央部・コンゴ民主共和国で確認された変異株は感染力が強いと報告されている。
スウェーデンでは先週、この変異株の感染者が1人確認された。
インドでは2022~24年3月までの間に、古い型の感染者が30人ほど確認されている。
世界保健機関(WHO)は先月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
今年コンゴで確認されたM痘感染者は約2万人。死亡者数は643人。感染者の大半が15歳以下の子供である。