◎インドと中国は2020年6月、ヒマラヤのラダック地方ガルワン渓谷で衝突し、インド兵少なくとも20人、中国兵4人が死亡した。
インド陸軍の制服組トップであるパンデ(Manoj Pande)長官は12日、ヒマラヤのラダック地方における中国国境の係争地について、「状況は安定しているが、予想不能の事態に発展する可能性も否定できない」という見解を示した。
パンデ氏は記者団に対し、「両国は外交・軍事両レベルで話し合いを続けており、インド軍は警戒態勢を維持している」と説明した。
またパンデ氏は、「我々は十分な戦力を有しており、どのような状況や不測の事態にも効果的に対処できるよう、各部門に準備を進めさせ、十分な備蓄がある」と述べた。
パンデ氏は、「状況は安定しコントロールされていると言えるが、予測は不可能である」と強調した。
パンデ氏によると、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でインド軍の物資確保に影響が出ているという。詳細は明らかにされていない。
パンデ氏は「侵攻の影響でロシアとの取引が影響が受け、陸軍の兵器システムに問題が生じている」と説明した。
専門家によると、インド軍は防衛装備品の60%をロシアから調達している。
タイムズ・オブ・インディア紙は12日、欧米諸国の対ロシア制裁により、インド海軍向けのロシア製ディーゼル潜水艦1隻の納品に問題が生じていると報じた。
インドと中国は2020年6月、ラダック地方ガルワン渓谷で衝突し、インド兵少なくとも20人、中国兵4人が死亡した。両軍はこの時、投石やこん棒で殴り合ったと伝えられている。
その後、両軍は係争地の境界線に沿って榴弾砲や戦車を展開し、兵士数万人を駐留させた。
係争地の境界は西のラダックから東部アルナチャルプラデシュ州まで続いている。中国はこの全域を自国の領土と主張している。両国は1962年、この境界線をめぐって衝突した。