◎トランプ氏は再選キャンペーン中、様々な国の輸入品に関税を課すと繰り返し警告してきた。
世界が米国のトランプ(Donald Trump)次期大統領の就任に備える中、中立的な立場で米国と接してきたインドが難しい立場に立たされている。
トランプ氏は再選キャンペーン中、様々な国の輸入品に関税を課すと繰り返し警告してきた。
中国には60%の関税をかけるとし、さらに、インドも主要な標的となった。トランプ氏はインドとの貿易を「赤字の充電器」と評し、「お返しに同じことをする」と約束していた。
トランプ氏はハリス(Kamala Harris)副大統領に圧勝し、来年1月20日の就任に向け、準備を進めている。
トランプ氏が公約に掲げる不法移民の強制送還と関税計画はインドとの二国間関係に緊張をもたらす可能性がある。
インドにとって米国は最大の輸出先であり、常に貿易相手国のトップ2にランクされている。
テレビ局トゥエンティーフォー・セブン(NDTV 24x7)は9日、専門家の話しとして、「トランプ氏が選挙で掲げた公約をすべて実行に移せば、印米関係は緊張を強いられる可能性がある」と報じた。
またトゥエンティーフォー・セブンは保守的なモディ(Narendra Modi)首相がトランプ前政権時代に構築した良好な関係に言及。「チャンスがないとは言えない」とした。
昨年の米印貿易は1200億ドル近くに達し、インドが300億ドルの黒字となった。
二国間貿易は過去10年間で92%も増加。しかし、輸入品に高い関税を課すことで赤字を相殺しようとするトランプ氏の「アメリカ・ファースト」政策はこの関係を崩壊させる可能性がある。
モディ氏とトランプ氏は比較的良好な関係を維持している。モディ氏はトランプ氏に祝意を表し、就任前に会談したい意向を示しており、地元メディアによると、インド政府は関税、不法移民、中国をめぐる問題などについて協議する準備を進めているという。