▽インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。
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パキスタン軍は8日、インド軍のドローン空爆により、少なくとも2人の民間人を死亡したと明らかにした。
インド軍は同日、パキスタン軍の砲撃で民生インフラが被害を受けたと非難した。
インドのジャンムー・カシミール州で観光客が殺害されて以来、両国間の緊張は一気に高まり、紛争に発展する可能性も出ている。
この事件はジャンムー・カシミール州近郊の山岳地帯にある観光地で4月22日に発生。正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。その多くがインド人であった。
インド政府はこの地域に陸軍を派遣し、容疑者を追跡している。
インド政府はこの事件を受け、パキスタン国民に発行したすべてのビザ(査証)を剥奪した。
パキスタンはインドの外交スタッフの削減、両国間で唯一機能している陸上国境の閉鎖、インドとの水共有条約を停止するなどの対抗措置を発表した。
またパキスタンはインドが所有または運営するすべての航空会社の領空への進入を禁じ、インドとの貿易を停止した。インド側も同様の措置を取っている。
インド政府はこの事件にパキスタン政府が関与したと主張しているが、その証拠は示していない。
パキスタン政府は関与を否定し、国連と国際社会に中立的な調査を求めている。
インド軍は8日、パキスタンの防空システムを標的にしたことを認めた。
パキスタン軍はインド軍がカシミールに地方に向けた発射したドローンを全て撃墜したと主張している。
インドはパキスタン軍の攻撃を無力化したと主張。戦地の状況はほとんど明らかになっておらず、メディアはカシミール地域への立ち入りを厳しく制限されている。
インド軍は6日未明、パキスタンの統治下にあるカシミールに向けてミサイルを発射。パキスタン軍によると、ミサイルはカシミールと東部パンジャブ州に着弾し、女性や子供を含む少なくとも31人が死亡、大勢が負傷したという。
双方はカシミールの境界で激しい銃撃・砲撃戦を繰り広げており、パキスタンは多数のインド兵を殺害したと主張している。
ロイター通信によると、インドのジャンムー・カシミール州中心部で8日遅くに停電が発生。インターネットも通じにくい状態になっているという。
AP通信は情報筋の話しとして、「パキスタン軍が市郊外の変電所を攻撃した」と伝えているが、詳細は不明だ。
インド軍参謀本部は8日遅くの声明で、パキスタン軍がカシミールにある3つの軍事基地にミサイル・ドローン攻撃を仕掛けたが、防空部隊が全て撃墜し、死傷者は出なかったと述べた。
パキスタン軍の参謀本部は8日、インド軍が7日午後から8日午後にかけて、イスラエル製のドローンをパキスタン領内に向けて発射し、防空部隊が29機を撃墜したと明らかにした。
それによると、撃墜したドローンの残骸が南部シンド州の住宅地に落下し、2人の民間人が死亡、もう1人が負傷したという。
パキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は8日、国営テレビのインタビューで、インド軍のドローン1機が東部ラホール近くの軍事基地に損害を与え、兵士4人が負傷したと明らかにした。
またシャリフ氏はインド軍のドローンが首都イスラマバード近くの駐屯地ラワルピンディに落下したと述べた。
インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。
カシミールでは24年9月末頃から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれてきた。
カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。
インド政府は2019年、「歴史的大失態」の是正として、70年間に渡って認めてきたジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪した。
ジャンムー・カシミール州はインドで唯一、イスラム教徒が多数派の州であり、ヒンズー政策を推進する政府と何度も対立してきた。
インドは21年、射程5000キロの核搭載可能大陸間弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験に成功。これは長距離地対地弾道ミサイルである。
インドは1947年にイギリスから独立して以来、パキスタンと3度の戦争を戦ってきた。これらのミサイルはパキスタンの全国土を射程に収めている。
パキスタンも核保有国であり、中長距離ミサイルの開発を進めている。