インドのKFCとピザハット運営会社が合併へ、競合他社との競争激化続く
合併条件では、デブヤニがサファイア株主に対して100株につき177株の新株を割り当てる株式交換が行われる予定で、両社の取締役会はこの合併計画を承認した。
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インドのファストフードフランチャイズ運営企業であるサファイア・フーズ(Sapphire Foods)とデブヤニ・インターナショナル(Devyani International)は、両社が共同で展開するケンタッキーフライドチキン(KFC)とピザハットの事業を統合するため、総額9億3400万ドル(約1465億円)の合併契約を締結すると発表した。この合併により、インド国内外でファストフードの「巨人」が誕生する見込みである。
合併条件では、デブヤニがサファイア株主に対して100株につき177株の新株を割り当てる株式交換が行われる予定で、両社の取締役会はこの合併計画を承認した。取引は規制当局や株主・債権者の承認を前提としており、実行には12〜15カ月程度かかる見通しである。
今回の統合はインドのファストフード業界が直面するコスト増加や既存店舗の売上鈍化、マージン圧迫といった課題への対応策と位置付けられている。両社は米国のヤム・ブランズのフランチャイズパートナーとして、KFCやピザハットのブランドを展開しているが、同じくインド市場に進出しているマクドナルドやドミノ・ピザといった競合他社との競争激化も背景にある。消費者が非必需支出を抑える傾向が強まる中で、規模と効率を高めることが求められている。
両社はインド国内および海外に合わせて3000店以上のKFCおよびピザハット店舗を運営しているが、いずれも純損失を計上している。例えば、2025年第3四半期(7~9月)において、デブヤニは2億1900万ルピーの純損失を報告、前年同期の17万ルピーの利益から赤字に転落した。また、サファイアも1億2770万ルピーの純損失を記録しており、これら損失の解消に向けて統合によるコスト削減効果や運営効率化が期待されている。
合併後の統合企業は早期のシナジー効果として年間で21億〜22.5億ルピーのコスト削減を見込んでいる。この一部でも実現できれば、事業の収益性改善につながるとの見方が示されている。アナリストは「統合した単一企業体として、コスト管理能力の向上が図れれば、利益を生む事業体へと変わる可能性がある」と指摘している。
統合企業はKFCとピザハットの成長加速に加え、供給網や技術プラットフォームの強化、長期的なブランド戦略の展開を進める計画だ。デブヤニ経営陣は、両社を統合することで国内最大級のクイックサービスレストラン(QSR)運営企業となり、インド市場だけでなく海外事業の拡大にも弾みをつける意向を示している。
今回の合併はインドの外食市場が成熟段階に入りつつある中で、大手フランチャイズ企業がスケールメリットを追求する動きの象徴といえる。統合が完了すれば、インドのファストフード産業構造に大きな影響を与える可能性がある。
