◎現地メディアによると、125人以上が洪水に巻き込まれ行方不明になったという。
2月7日、インド北部ウッタランチャル州の河川に氷河が流入し大洪水を引き起こした。この影響で下流のダムが崩壊し、川の流れは激流に変わったという。
現地メディアによると、125人以上が洪水に巻き込まれ行方不明になったという。
ある目撃者はメディアの取材に、「上流から猛烈な勢いでダウリガンガ川に水が流れ込んできたため、警報を鳴らす時間もなかったと思う」と述べた。
ナレンドラ・モディ首相は事故の報告を受け、「政府はウッラランチャル州と共に被災者の救助に当たる。国民は住民と関係者の安全を祈っている」とツイートした。
ウッタランチャル州警察は声明で、氷河の崩壊は現地時間午前11時頃に発生し、建設中のリシガンガ水力発電ダムを破壊したと述べた。
警察の報道官によると、リシガンガ水力発電ダムが崩壊した影響で、ダウリガンガ川の下流にある別の電力プロジェクト施設も被害を受けたという。
ウッタランチャル州のトリベンドラ・シン・ラワット州首相は、少なくとも125人が行方不明になっており、その数は今後増加する恐れもあると記者団に語った。
トリベンドラ・シン・ラワット州首相:
「これまでに少なくとも7人の死亡を確認している。救助活動は昼夜を問わず継続されるだろう」
現地メディアによると、行方不明者の大半は水力発電プロジェクトの関係者だという。
洪水発生箇所、ウッタランチャル州、ダウリガンガ川
ウッタランチャル州警察のアショク・クマール署長は記者団に対し、「リシガンガ水力発電ダムプロジェクトに関わる作業員50人以上が死の危機に直面している」と語った。
また、クマール署長は総動員で捜索活動を行っており、何人かを救出したと述べた。
現地のレスキュー隊によると、瓦礫に飲み込まれたトンネル内から作業員16名を救出したという。
レスキュー隊員のひとりはメディアの取材に対し「流域周辺の数十の村の住民を避難させた」と述べた。
ウッタランチャル州と隣接するウッタル・プラデーシュ州は、いくつかの河川沿いの地域住民に警戒を呼びかけている。
ヒマラヤ西部、ウッタランチャル州は、鉄砲水や地滑りの発生しやすい地域として知られている。
2013年6月には大雨の影響で大洪水が発生し、約6,000人が死亡したと伝えられている。
ある専門家は、「温暖化の影響で氷河が崩壊し河川に流入した可能性がある」と述べた。
また別の専門家は、「氷河がヒマラヤの湖に流れ込み、水があふれだしたことで下流のダウリガンガ川の水量が急激に増加したのかもしれない」と指摘した。
政府当局および専門家チームは声明で、事故原因の調査を開始すると述べた。