◎中露寄りのカーン氏は今年4月に不信任決議で追放されて以来、政府・司法・軍を厳しく批判し、全国各地で集会を開催している。
パキスタンのカーン(Imran Khan)前首相は26日、銃撃事件で負傷して以来初めて公の場に姿を現し、選挙集会で演説した。
報道によると、カーン氏はラワルピンディに集まった支持者数万人に手を振り、復活をアピールしたという。
カーン氏は今月初め、中部ワジラバードで抗議デモを率いていた際に銃撃され、右脚を負傷した。容疑者は現行犯逮捕されている。この攻撃で1人が死亡、カーン氏を含む14人が負傷した。
容疑者はカーン氏の暗殺を試みたと自供している。
地元メディアによると、カーン氏は支持者に「死を恐れず戦おう」と呼びかけ、シャリフ政権と軍指導部を非難したという。
カーン氏は暗殺未遂にシャリフ(Shehbaz Sharif)首相、内相、軍の最高司令官が関与したと主張しているが、証拠は示していない。
地元メディアによると、カーン氏は演説予定時刻になっても現れず、数時間後にようやく現地入りしたという。
ロイター通信の取材に応じた支持者の女性は、「パキスタンを取り戻すために参加した」と語った。
別の男性は「独裁政権に反対する正義の男がここにいる」と主張した。「私たちのカーン首相は不死身であり、民主国家パキスタンを取り戻すために帰ってきたのです!」
警察が警備を強化したにもかかわらず、会場の拡声器からは人気歌手の明るい歌が流れ、陽気な雰囲気に包まれた。
カーン氏は「3人の犯罪者」が暗殺に関与したと主張した。
またカーン氏は「暴力で国を統治しようとする勢力を止めなければならない」と支持者に訴えた。「暴力団は国民を奴隷にしようとしています」
この集会はカーン氏率いる「大規模デモ行進」のひとつであり、首都イスラマバードでクライマックスを迎える予定だ。
警察は道路を封鎖し、暴動が発生する恐れがあるとしてカーン陣営に中止を求めていた。
報道によると、カーン氏の周囲には防弾ガラスが設置されたという。
中露寄りのカーン氏は今年4月に不信任決議で追放されて以来、政府・司法・軍を厳しく批判し、全国各地で集会を開催している。
選挙管理委員会は先月、カーン氏が外国高官から受け取った贈答品の売却益を正しく申告していなかったとして、公職に就く資格を剥奪した。
選管によると、カーン氏はロレックスの時計、指輪、カフスボタンなど、在任中に受け取ったり売却したりしたプレゼントの詳細を正確に申告しなかったという。
カーン氏は選管の告発を却下し、不正行為を否定したうえで、この告発を「米国とシャリフ政権の陰謀」と主張した。
カーン氏の人気は依然として高く、集会には多くの市民が集まっている。シャリフ氏は解散総選挙を否定し、予定通り来年選挙を行うとしている。