◎パキスタン経済を悩ます主な要因は持続不可能な対外債務、貿易赤字、輸出の減少、通貨安である。
パキスタンのカーン(Imran Khan)前首相は26日、東部ラホールで集会を開き、同国の経済危機を乗り切る救済計画を示したうえで、シャリフ政権を非難した。
国際通貨基金(IMF)は現在、パキスタンが2019年の融資協定を満たしていないとして、60億ドルの融資を停止している。
シャリフ(Shahbaz Sharif)首相はカーン政権の放漫財政が危機に拍車をかけたと非難している。
中露寄りのカーン氏は昨年4月に不信任決議で弾劾されて以来、政府・司法・軍を批判し、全国各地で集会を開催している。
カーン氏は不信任決議に米国が関与していると主張。シャリフ政権を「米国の犬」と呼んでいる。
カーン氏は数千人の支持者を前に演説し、シャリフ政権がインフレに拍車をかけ、経済危機から目を背け、混乱を放置し、放置し、放置していると非難した。「あの男は何もしていません」
またカーン氏は「パキスタンを救うためには我が党の救済計画が必要不可欠」と訴えた。「対外債務を処理しつつ外貨準備を増やすためには投資を呼び込むしかありません」
カーン氏が示した通称カーン・プランは外国為替と投資による歳入の増加、税務ネットワークの拡大、資金洗浄(マネーロンダリング)防止の取り組みに重点を置いている。
また農業、観光、住宅金融制度、健康保険証プログラム、中小企業振興のための施策も概説した。
カーン氏は海外で働くパキスタン人から投資や外貨を得ることで、IMFの融資を避けることができると主張した。「米国で生活する1万8000人のパキスタン系アメリカ人の純資産は2000億ドル、パキスタン系アメリカ人ビジネスマンの上位10人の純資産は250億ドルです。それでもシャリフは60億ドルの融資を得るためにIMFに頭を下げています」
パキスタン経済を悩ます主な要因は持続不可能な対外債務、貿易赤字、輸出の減少、通貨安である。
ラホールの警察当局はテロ攻撃の可能性を考慮し、カーン陣営に集会を開催しないよう警告していた。