◎スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年7月5日/スリランカ、首都コロンボ(Eranga Jayawardena/AP通信)

国際通貨基金(IMF)は27日、スリランカ政府の税制・経済改革に不満を表明し、さらなる歳出削減と増税が必要という認識を示した。

IMFはスリランカに対する29億ドルの融資を承認し、その第2弾として、数日中に3億3000万ドルを融資したいとしている。

同国の首都コロンボを訪問したIMFの専門家部会は27日、「政府と第2弾の融資解放に向けた協議を続ける」と明らかにした。

また専門家部会は税制・経済改革が進展していることを歓迎したうえで、「さらなる取り組みが必要」と強調。「スリランカの経済はある程度安定したものの、不安要素は残っており、歳入が予想を下回り、外貨準備の積み増しが遅れている」と指摘した。

スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。

持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、人口の大部分を占める低中所得者層の多くが厳しい生活を余儀なくされている。

同国の負債総額は830億ドルを超え、そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務である。

IMF専門家部会は声明で次のように述べている。「歳入を増やし、より良いガバナンスを示すためには、税制を強化し、免税措置を撤廃し、脱税を積極的に排除することが重要である...」

IMFは今年3月、中央政府が170億ドルの債務削減を目指して債権者と再編交渉を行う中、29億ドルの融資を承認。第1弾として3億3000万ドルを融資した。

ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領の政策により、同国の食料、燃料、医薬品の深刻な不足は緩和された。

しかし、電気料金の値上げや増税などによって歳入を増やそうとする政府の取り組みに対する国民の不満は日々高まっている。

それでも、こうした徴税努力はIMFが望む水準には達していない。IMFは声明の中で、「歳入が増えなければ、必要不可欠な公共サービスを提供する政府の能力は持続可能なものにならない」と述べている。

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