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IMF、パキスタンの洪水対策支出と予算の柔軟性を検証へ

パキスタンでは6月26日以来、大雨に関連する災害で972人が死亡(13日時点)。パンジャブ州では200人以上が死亡している。
2025年9月11日/パキスタン、東部パンジャブ州ラホール近郊、大雨により冠水した通り(AP通信)

国際通貨基金(IMF)は13日、壊滅的な洪水に見舞われたパキスタンの犠牲者に対し深い哀悼の意を表した。

IMFのパキスタン常駐代表は声明で、「近く実施される拡張融資枠(EFF)のレビューでは、同国の財政政策と緊急措置が危機に効果的に対処できるかどうかを評価する」と述べた。

EFFはIMFが加盟国に提供する中期的な融資制度で、深刻な収支不均衡や構造的な問題を抱える国が経済改革を進めるために利用される仕組みである。通常3~4年の期間で設定され、従来のスタンバイ取極よりも長期かつ柔軟に資金を供与できる点が特徴だ。EFFを利用する国は財政改革、金融政策の安定化、構造改革など包括的なプログラムを策定し、IMFと合意した進捗に基づいて段階的に融資を受ける。これにより短期的な資金繰り支援だけでなく、持続的な経済基盤の強化が狙いとされている。

常駐代表は「2026年度予算とその支出配分、緊急措置が洪水による支出需要に対応する十分な柔軟性を維持しているかを評価することになるだろう」と述べた。

東部パンジャブ州では8月28日、豪雨と隣国インドのダム放流により3つの主要河川がほぼ同時に氾濫。4000を超える集落が被害を受けた。

この洪水とその後の大雨により、450万人以上が影響を受け、250万人余りが避難を余儀なくされた。当局によると、数十万棟の家屋が浸水し、数百平方キロメートルの田畑が泥に覆われたという。

パキスタンでは6月26日以来、大雨に関連する災害で972人が死亡(13日時点)。パンジャブ州では200人以上が死亡している。

パンジャブ州全域で農作物、家畜、家屋が被害を受け、南部シンド州でも被害が拡大中。この大水害は資金不足に悩むパキスタンのインフレを押し上げる可能性がある。

ロイター通信はパキスタン中銀が22日の金融政策決定会合で政策金利を11%に据え置くと予想している。

アナリストたちは農業被害が今年の成長率を最大0.2%押し下げる可能性があると指摘している。

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