◎スリランカは一昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
国際通貨基金(IMF)は21日、債務処理に苦しむスリランカの経済状況が回復基調にあると発表した。
スリランカの先月の消費者物価指数(CPI)は2年前の70%から5.9%まで低下。GDPも1年半マイナスとなった後、プラスに転じた。
IMFによると、同国の2023年第3四半期(7~9月)のGDP伸び率はプラス1.6%、第4四半期(10~12月)はプラス4.5%であった。
スリランカは一昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。
この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。
その後任であるウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領はIMFに支援を求め、昨年交渉をまとめた。
IMF理事会は4年間の救済プログラムを承認。年2回の審査を経て、29億ドルの融資を提供する予定だ。
政府はインド、日本、中国などの主要債権者から債務免除の約束を取り付け、民間債権者との協議を続けている。
IMFは20日、代表団がスリランカ当局と経済改革の第2次見直しについて合意に達したと発表した。
IMF理事会がこれを承認すれば、3億3700万ドルが支払われる。