◎スリランカは2年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
国際通貨基金(IMF)は23日、インド洋の島国スリランカに対する29億ドルの救済措置の3回目放出を承認した。
IMFは声明で、3億3300万ドルの資金を放出するとしながらも、「同国の経済は依然として脆弱である」と警告した。
またIMFは「回復の兆しが見えてきた」と強調。ディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayake)大統領に対し、財政健全化政策を推進するよう促した。
さらに「スリランカは125億ドルの債券保有者の債務再編と、日本、中国、インドを含む二国間債権者との100億ドルの債務再編を完了する必要がある」とした。
スリランカは2年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。当時の負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。
この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府や首相府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。
9月の大統領選で敗れたウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)前大統領はIMFの支援を受けながら債務再編を進めてきた。
IMFは昨年3月に救済措置を承認。同国への支援を本格化させた。
アナリストたちはIMFが政府の財政健全化政策に満足していると指摘。「燃料、食料、医薬品、ガソリンを輸入するための外貨がない2年前の暗黒の日々から脱した」と評価している。