◎ニュージーランド軍は18日中に艦艇を2隻現地に送る予定。オーストラリアも支援の準備を進めており、一部の艦艇をシドニーからブリスベンの基地に送った。
1月18日、ニュージーランド政府は大規模な火山噴火に見舞われたトンガの調査と支援活動を本格化させた。
フンガ・トンガ島とフンガ・ハアパイ島の間に位置する火山フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイの活動は昨年末頃から活発化し、15日に大噴火した。噴火後に発生した津波はアメリカ大陸に到達し、ペルーでは犠牲者も報告されている。
NZL軍は首都ヌクアロファのあるトンガタプ島に飲料水や支援物資を送っているが、17日の声明で、「島の滑走路は火山灰に覆われており、軍用機による支援物資輸送の開始時期は未定」と明らかにした。
地元メディアによると、NZL軍は18日中に艦艇を2隻現地に送る予定だという。
オーストラリアも支援の準備を進めており、一部の艦艇をシドニーからブリスベンの基地に送った。
NZLとAUS政府によると、トンガと本格的に通信できるようになるには少なくとも数週間かかる可能性があるという。両国は17日に偵察機を送り、被災状況などを調査した。
一方、国連のステファン・ドゥジャリック報道官は17日、「トンガ政府からトンガタプ島の被害が特に深刻という報告を受けた」と明らかにしたが、一部の島の状況は分からないと述べた。「トンガ政府もフンガ・ハアパイ島周辺の住民と連絡を取れずにいます。事務総長も海抜の低い島で生活する人々の安否を懸念しています」
トンガに駐在するニュージーランドの英連邦高等弁務官も、トンガタプ島の西海岸一帯に津波が押し寄せ「重大な被害」をもたらしたと報告した。
ピーター・ルンド高等弁務官は政府のホームページを介して、「これまでにトンガで少なくとも3人の死者が出たという報告を受けた」と述べた。
英BBCニュースはトンガタプ島で生活した英国人女性1人が亡くなったという女性の知人の証言を報じた。
世界食糧計画は救援物資とスタッフを派遣する方法を検討しており、トンガ政府に通信回線の復旧要請を受けたと明らかにした。トンガはフィジーの首都スバから海底ケーブルを介してインターネットを利用している。
海底ケーブルを管理するトンガ・ケーブル社の責任者は、「通信は大噴火から15分ほどで切れた」と述べた。同社によると、損傷を確認するためにはケーブルを専用の船に引き上げる必要があり、損傷箇所が1箇所であれば復旧に約1週間、複数であればさらに多くの時間がかかるという。
また責任者は、「復旧作業はフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイの活動次第でさらに遅れる可能性がある」と強調した。
フィジーとトンガを結ぶケーブルは切断されたが、NZLのメディアによると、ローカル電話ネットワークは機能しており、住民は互いに連絡を取り合うことができたという。しかし、衛星電話は高度20,000mに達した火山灰の雲の影響でつながりにくい状況が続いている。