◎デモ隊は国連に介入を要請。イスラム教徒が多数派を占めるバングラの暫定政権がヒンズー教徒への暴力を黙認していると主張した。
インドの首都ニューデリーで10日、隣国バングラデシュのヒンズー教徒が暴力に直面しているとして、数百人が駐バングラ大使館前に集まり、抗議した。
デモ隊は国連に介入を要請。イスラム教徒が多数派を占めるバングラの暫定政権がヒンズー教徒への暴力を黙認していると主張した。
インドでは今月、北東部トリプラ州にあるバングラの高等弁務官事務所が襲撃を受け、さらに、西ベンガル州コルカタでバングラを侮辱するデモが行われ、国旗が踏みつけられた。
ニューデリーのデモに参加した男性はAP通信の取材に対し、「バングラデシュで少数派のヒンズー教徒が弾圧されているという報道を見て、心を痛めている」と語った。
インドの外相は9日にバングラの首都ダッカを訪問し、外相らと会談。両国の緊張を緩和することについて話し合った。
前首相のハシナ(Sheikh Hasina Wajed)氏が8月にインドに亡命して以来、インドの高官がバングラを訪問するのは初めてであった。
バングラ暫定政権はインドに対し、ハシナ氏の身柄を引き渡すよう求めている。
バングラの特別法廷はハシナ氏とその側近の逮捕状を発行。国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)にも協力を求めている。
ハシナ氏がインドに亡命して以来、イスラム教徒が多数を占めるバングラでは少数派、特にヒンズー教徒が嫌がらせや暴力を受けているという報告が多数寄せられている。
バングラのヒンズー教徒の多くがハシナ氏の政党・アワミ連盟を支持していると考えられている。
インドはハシナ氏の亡命後、緊急医療ビザを除いてバングラ人へのビザ発給を停止した。インフラプロジェクトに従事する多くのインド人も安全保障上の懸念を受け、バングラを離れている。