◎法律に違反した個人や組織は3年以下の懲役と13万ドル(約1,500万円)の罰金を科される可能性がある。
2021年10月26日/香港、林鄭 月娥(キャリー・ラム)行政長官(Kin Cheung/AP通信)

10月27日、香港の立法評議会は中国共産党の利益と中国の国家安全保障に悪影響を与える映画を取り締まる新しい検閲法を可決した。

現地メディアによると、法律に違反した個人や組織は3年以下の懲役と13万ドル(約1,500万円)の罰金を科される可能性があるという。

香港の共産勢力は中国共産党の指導に基づき、表現の自由を厳しく取り締まっている。

映画関係者と専門家たちは、「新しい法律は香港の映画産業を殺すだろう」と述べた。

中国共産党は昨年、香港国家安全維持法を全会一致で可決し、野党や民主活動家の異議申し立てを事実上非合法化した。

香港国家安全維持法は2019年~2020年まで続いた100万人規模の民主化デモに対抗する形で可決され、民主主義を求める平和的な抗議を破壊・テロ・外国軍との共謀と見なし、厳しく取り締まることを可能にした。

西側諸国は法律に基づく取り締まりを「弾圧」と非難したが、中国共産党は非難を却下し、法律は香港の治安と安定を維持するためのものと主張した。

映画検閲法案は野党のいない立法評議会で可決された。これにより、香港の国家安全保障に危害をもたらす可能性のある活動を支持、支援、賛美、奨励、扇動した場合、総務長官(香港のナンバー2)は対象者の映画関連免許を取り消し、警察は違反者を逮捕できるようになった。

映画関係者や専門家は、法律は創造性と表現の自由に深刻な影響を与えると懸念を表明した。

2019年の香港民主化デモのドキュメンタリー映画「Revolution of Our Times(原題)」を制作した映画監督のキウィ・チョウ氏はロイター通信の取材に対し、「法律は香港の検閲を悪化させ、映画製作に深刻な影響を与える」と述べた。

一方、立法評議会は検閲法を擁護し、「法律は検閲ではなく、国民の創造性に影響を与えるプロパガンダを防ぐためのもの」と主張した。ある議員は、「法律は基本的人権を準拠し、人々を洗脳する危険な映画から国民を守る」と述べた。

共産党は香港の映画と芸術産業を長い間敵視してきた。今年6月、香港の規制当局は国内の劇場で公開を予定していたドキュメンタリー映画「Inside the Red Brick Wall(原題)」の許可を取り消し、配給会社の免許を剥奪した。

インターネット、雑誌、新聞、本も厳しい検閲に直面しており、アップルデイリー(りんご日報)は今年初めに閉鎖を余儀なくされた。

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