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香港のメディア王ジミー・ライ氏、2月9日量刑言い渡しへ、国安法裁判

ライ氏は民主派の有力紙「リンゴ日報(Apple Daily)」を創刊、政治・社会問題に対する鋭い批判と自由主義的姿勢で人気を博した。
2020年12月12日/香港、裁判所に出廷するリンゴ日報の創業者のジミー・ライ氏(AP通信)

香港の著名なメディア企業家で民主化運動の象徴的存在であるジミー・ライ(黎智英、Jimmy Lai)氏が国家安全維持法違反で有罪判決を受けた事件について、裁判所が2月9日に量刑を言い渡す予定だ。ライ氏は民主派の有力紙「リンゴ日報(Apple Daily)」を創刊、政治・社会問題に対する鋭い批判と自由主義的姿勢で人気を博した。今回の裁判は香港における報道の自由と司法の独立に関する国際的な関心を集める象徴的な事件となっている。

ライ氏は2020年に中国共産党が香港に導入した国安法に基づき逮捕され、その後の長期に及ぶ裁判で、外国勢力と共謀した「国家安全への危険行為」など複数の罪状で有罪となった。罪状の主な内容は、「外国勢力と共謀して香港や中国に敵対的な活動を働くよう要請した」とするもので、外国政府に対して制裁や封鎖を求める働きかけをしたとされる。また、扇動的な出版物を発行し、陰謀に関与したと認定された。これらの罪は終身刑に相当する重罪であるとされる。

ライ氏はこれらの罪について一貫して無罪を主張し、判決を前にしても自らの政治的立場や香港の民主化運動への支持が裁判の背景にあると示唆している。共犯とされた他の被告、リンゴ日報の元記者ら6人と2人の活動家は罪状の一部で有罪を認め、これが量刑判断に影響する可能性があると見られている。

当局側はこの裁判を合法的な法執行で、メディアの自由とは関係ないと主張しているが、ライ氏の有罪判決は米国やイギリスなど複数の外国政府から強い批判を受けている。米国やイギリスの首脳らは公にライ氏の釈放を求め、審理過程と判決が国際基準に沿ったものであるかを疑問視した。ライ氏はイギリス国籍も持ち、複数の西側諸国が人権や法の支配の観点から関与する姿勢を強めている。

ライ氏のケースは、2019年の大規模な民主化デモに端を発する国安法施行後、香港で厳格な取り締まりが進む中で最も注目されるものの一つとなっている。国安法は中国共産党が香港の安定と統治を確保するために必要だと主張して制定されたが、批評家はこれが言論や報道の自由を著しく制限すると警告してきた。裁判は民主派活動家と報道関係者への圧力強化という香港情勢の変化を象徴する例として国際社会の注目を集めている。

ライ氏は既に詐欺などの軽微な罪でも有罪判決を受け、6年の実刑を言い渡されて収監中だが、国安法に基づく今回の判決はこれとは別の重い処罰となる可能性が高い。現地と海外の人権団体は裁判の公平性と判決の重さについて懸念を表明し続けている。

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