◎1月6日早朝、香港警察は共産党指導部の独裁体制に抵抗する野党関係者約50人を逮捕した。
1月6日、香港の治安当局は「国家転覆を企てた罪」で民主化を推進する運動家数十人を逮捕したと発表した。
治安当局のジョン・リー氏は声明で、「逮捕された者たちは破壊的な行動を企てていた」と述べた。
6日早朝、香港警察は共産党指導部の独裁体制に抵抗する野党関係者の取り締まりを開始した。
<香港警察の取り締まり/1月6日>
・逮捕者:約50人。
・すでに拘留されている黄 之鋒(こうしほう)氏の自宅を家宅捜索した。
・民主化運動を支援している弁護士事務所「Ho Tse Wai & Partners」の事務所を捜索した。
・3つの報道機関が民主化運動に関連する情報の引き渡しを求められた。
逮捕された者は、「公民党のメンバー3人、民主党7人、野党地方議員21人、予備選挙の立候補者13人、予備選挙の支援者2人、米国市民1人、人権弁護士1人」と伝えられている。
昨年7月、香港の民主化を訴える野党同盟は、9月の議会選挙の立候補者を決める独立した予備選挙を実施した。
予備選挙の総投票数は60万票を超え、野党の勢いは最高潮に達したが、9月の議会選挙はコロナウイルス感染拡大を理由に延期された
当時、林鄭月娥(りんていげつが/キャリー・ラム)行政長官は声明で、「予備選挙は香港の治安を破壊する可能性がある」と警告していた。
その後、予備選挙で結果を出した黄 之鋒 氏などは議会選挙に立候補する権利を剥奪された。
2019年の抗議行動で精力的に活動し、議会選挙の立候補資格を失った元ジャーナリストの何 桂藍(かけいらん)氏も6日に逮捕されたと伝えられている。
昨年11月、市当局は立法評議会で活動する野党議員4人を突然解任し、これに抗議する他の野党議員15人が一切に辞職した。
林鄭月娥 行政長官は、「立法評議会で奉仕するための要件と前提条件を満たしていない者は、議会に留まることを許されない」と説明したが、具体的な規則違反内容は一切明かさなかった。
バイデン政権の国務長官を務めるアントニー・ブリンケン氏は声明で、「当局は普遍的権利を勇敢に行使している市民を暴行した」と一斉検挙を非難した。
アントニー・ブリンケン氏:
「バイデン・ハリス政権は香港の市民をサポ―トし、北京の民主主義の取り締まりに反対するだろう」
米上院情報特別委員会のベン・サス上院議員は、「習近平は分裂したアメリカを見て好き勝手に行動する。彼はスキを見逃さない」と指摘した。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのマヤ・ワン氏は、「指導部は香港で犯した過ちから何も学んでいない。抑圧は抵抗を生み、何百万人もの香港人が民主的な選挙を訴え、戦うだろう」と述べた。
昨年7月に本土を離れた羅 冠聡(らかんそう)氏は、「広範囲にわたる逮捕が政治的自由と言論の自由の抑圧を別のレベルに引き上げた」と当局の対応を非難した。
羅 冠聡 氏
「国家安全維持法が香港の平和を守っていると主張する者は、香港市民の敵である」
国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルは6日の一斉検挙について、「当局は国家安全維持法が兵器であることを実証した。今回の検挙は、平和的に活動する勇気のある市民を突然罰したこれまでで最も厳しい取り締まりだ」と述べた。