◎中国共産党の独裁に強く反対し香港の民主化を求める香港同盟は、1989年の天安門事件の追悼集会とキャンドル・ビジルを主催することで知られている。
7月10日、香港の著名な民主化推進市民組織は治安当局の厳しい取り締まりを受け、組織の規模を縮小すると発表した。
中国共産党の独裁に強く反対し香港の民主化を求める香港同盟は、1989年の天安門事件の追悼集会とキャンドル・ビジルを主催することで知られている。
香港同盟は10日の声明で、「運営委員会の委員14人のうち7人が政治的および法的リスクを考慮し、辞任することを決めた」と述べた。活動を継続する7人のうち3人は抗議活動で逮捕され、刑務所に収監されている。
声明によると、同盟は委員の規模を半分に縮小するだけでなく、有給スタッフも手放すという。
香港同盟は「スタッフの身の安全を守ることが最優先」と述べたうえで、規模の縮小は組織の活動に影響を与えるが、一歩ずつ前進し続けると誓った。「私たちは現在の困難な課題を克服するために、歯を食いしばって一歩ずつ前進すると誓います」
中国共産党は昨年、2019年の大規模な民主化抗議を受け、国家安全維持法を施行した。これにより、議員や公務員の選出に「愛国心」という抽象的な基準が設定された。
民主化を求める者は立法評議会からほとんど排除され、一部の反対派は刑務所に押し込められた。民主化運動を主導した主要な活動家も投獄もしくは海外に亡命している。
治安当局は先日、最後の民主化推進新聞であるアップルデイリー(りんご日報)の幹部とスタッフを逮捕し、資産を凍結し、閉鎖に追いやった。
香港は世界を代表する主要なビジネスと金融の中心地として機能しているが、多くの香港人が土地を離れ、一部の多国籍企業も法的な懸念を考慮し、事業とスタッフの移転を開始した。
1989年の天安門事件の記念日である6月4日と香港独立を記念する7月1日には、毎年数万人規模の市民が集まり、民主化を求めるデモや集会を行っていた。
しかし、当局はコロナウイルスの制限に基づき、2年連続で集会の開催を許可しなかった。
中国共産党は国家安全維持法を香港の将来と繁栄のために施行したと主張したが、国際社会は1997年の独立時に締結したイギリスとの取り決め(一国二制度)を無視していると反発した。
中国の習近平国家主席は7月1日に開催された共産党100周年記念式典の中で、中国は香港の秩序を回復したと述べ、台湾を支配下に置くと誓った。