◎バルチスタン州では四半世紀ほど前から中央政府と分離主義勢力による紛争が続いている。
パキスタン南西部バルチスタン州で正体不明の武装集団が7人の理髪師を射殺した。地元当局が9日、明らかにした。
それによると、事件は同州の港町グワダルで発生。射殺された7人は全員、東部パンジャブ州出身で、一緒に住んでいたという。
同州政府は声明で事件を非難し、陸軍と警察が捜査に当たっていると明らかにした。
犯行声明を出した組織は確認されていない。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から中央政府と分離主義勢力による紛争が続いている。
同州に拠点を置く「バルチスタン解放軍(BLA)」などの反乱軍は州の資源を分配するよう政府に求めていたが、後に独立を求めて反乱を起こした。
地元テレビ局は警察関係者の話しとして、「武装集団が理髪師という理由で7人を殺害したとは考えていない」と伝えている。
それによると、先月同州内で発生したバスジャック事件(9人死亡)で犯行声明を出したBLAがパンジャブ州のスパイを処刑しているという情報があるという。
BLAは同州の炭鉱プロジェクトに従事するパンジャブ州出身者を標的にしている。
アフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州でも先月、武装集団が理髪師6人を殺害している。
パキスタンの過激派はヒゲを整えたり、西洋風の髪形にすることを禁じている。