武装集団がバス襲撃、乗客9人殺害 パキスタン

事件は州都クエッタ近郊の高速道路で10日遅くに発生。複数の武装兵が2台のバスを止め、9人を拉致し、殺害したという。
パキスタン、南西部バルチスタン州の山岳地帯(Getty Images)

パキスタン南西部バルチスタン州で武装集団が2台のバスを襲撃し、9人を殺害した。当局が11日、明らかにした。

それによると、事件は州都クエッタ近郊の高速道路で10日遅くに発生。複数の武装兵が2台のバスを止め、9人を拉致し、殺害したという。

容疑者たちは現場から逃走。陸軍と警察が行方を追っている。

AP通信は当局者の話しとして、「警察が捜索した結果、高速道路沿いで9人の遺体を発見した」と伝えている。

犯行声明を出した組織は確認されていないが、反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」に疑惑の目が向けられている。

地元メディアによると、このバスには東部パンジャブ州在住の市民が乗っていたという。

パンジャブ州政府は声明で、「テロリストはパンジャブ州の市民を標的にしたようだ」と述べた。

ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領は声明で、BLAが事件に関与していると非難した。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相もSNSに声明を投稿。犠牲者に哀悼の意を表し、バルチスタン州での対テロ作戦を継続すると強調した。

バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。

BLAは同国最大の武装勢力TTP(パキスタンのタリバン運動)に匹敵する規模に成長し、安全保障を脅かす大きな脅威となっている。

BLAは昨年、バルチスタン州内でバスを襲撃し、23人の乗客を殺害した。

地元メディアによると、BLAは10日深夜、クエッタ郊外の軍地キャンプに対する攻撃作戦を展開していると犯行声明を出したという。軍は声明を出しておらず、死傷者の有無は不明。

このキャンプとバスが襲撃された現場は数百キロ離れているとのこと。

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