武装集団が車両襲撃、政府高官ら4人死亡 パキスタン北西部
襲撃されたのは同地区の政府管理官を乗せた車。アフガン国境地帯に勤務していた管理官とその護衛2人、さらに車両近くを通りかかった一般市民1人が殺害された。
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パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で2日、政府職員らを乗せた車両が何者かによる待ち伏せ攻撃を受け、職員1人と護衛2人、通行人1人の計4人が死亡した。地元警察が明らかにした。
それによると、襲撃されたのは同地区の政府管理官を乗せた車。アフガン国境地帯に勤務していた管理官とその護衛2人、さらに車両近くを通りかかった一般市民1人が殺害された。
攻撃はアフガン国境近くの幹線道路で午前中に行われ、複数人が車に向けて銃を乱射したとのこと。
警察は目撃者の通報を受け現場に急行。4人の死亡を確認した。犯行グループは現場から逃走、犯行声明を出した組織は確認されていない。
当局は過去に同州および周辺地域で数々の攻撃を行ってきた同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)が関与した可能性が高いとみている。
アフガンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年テロが多発。その多くにTTPと反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。
パキスタン政府はアフガンのタリバン暫定政権がTTPを支援していると非難しているが、タリバン側はこれを否定している。
カイバル・パクトゥンクワ州では1日、自爆テロにより警察の高官が死亡。治安当局は警戒を強めている。
一方、今回の死者には政府管理官のほか、護衛や一般市民も含まれており、民間人が犠牲になったことで、地域住民の間には強い衝撃と不安が広がっている。
地元住民からは「普通に道路を利用していただけなのに殺害された」「何も悪いことをしていない人が犠牲になるのは許せない」といった声が上がっている。
