◎業界は政府の方針に猛反発している。
ニュージーランド政府は10日、商業グレイハウンドレース(ドッグレース)を非合法化する予定であると発表した。
NZ、米国、オーストラリア、イギリス、アイルランドでは商業ドッグレースが続けられている。米国では犬がレース中にケガをしたり、安楽死させられているという批判が相次ぎ、多くの州が非合法化している。
ドッグレースは前世紀に大流行したこともあった。しかし、レース当日のケガや、短い競技生活を終えた後に里親が見つからないために安楽死させられる犬が相次いでいることが明らかになり、批判が殺到。多くの国が非合法化した。
NZの禁止令はまだ法制化されていないが、ほぼすべての政党が禁止を支持しているようだ。
ピーターズ(Winston Peters)副首相兼競馬相は声明で、「政府は2026年8月1日から商業グレイハウンドレースを中止し、2900頭のレース犬の里親探しと1000人以上の業界関係者が他の仕事に就けるよう支援する予定だ」と述べた。
NZのドッグレース産業は近年、犬の安全性について度重なる見直しに直面しており、複数の報告書が抜本的な改革を促している。
ピーターズ氏は業界の取り組みについて、「前進しているが十分ではない」と強調した。
業界は政府の方針に猛反発している。
テレビジョン・ニュージーランド(TL)によると、NZの競馬業界の規模は13億NZドル(約1140億円)。ドッグレースが占める割合は9%ほどで、フルタイムの雇用者数は1000人強となっている。