◎ギリシャ沿岸警備隊はこれまでに82人の遺体を収容し、104人を救助。500人以上が今も行方不明のままとみられる。
パキスタン政府は23日、ギリシャ西部カラマタ沖で先週発生した移民船沈没事故について、推定350人のパキスタン人が乗船し、その多くが行方不明のままであると報告した。
カーン(Rana Sanaullah Khan)内相は国会で事件について説明し、「漁船には推定700人が乗船していたとされ、その多くがパキスタン人であったとみられる」と語った。
この漁船にはパキスタン、シリア、エジプト、パレスチナの亡命希望者とみられる750人もの男性、女性、子供が乗船していたと推定されている。
ギリシャ沿岸警備隊はこれまでに82人の遺体を収容し、104人を救助。500人以上が今も行方不明のままとみられる。救助された104人のうち12人がパキスタン人であった。
カーン氏は演説の中で、「現時点で281の家族が子供や大切な人がギリシャの漁船に乗っていたかもしれないと警察に通報した」と述べた。
国会議員らはカーン氏の報告に衝撃を受け、深刻な懸念と悲しみを表明している。
漁船が沈没して以来、これほど多くのパキスタン人が行方不明になっていると中央政府が報告したのは初めてだった。
当局は現在、ギリシャ当局による遺体の身元確認に役立てるため、親族が乗っていたかもしれないという人々のDNAサンプルを集めている。
シャリフ(Shahbaz Sharif)首相は今週、国家警察が主導する人身売買組織の一斉取り締まりが続いていると報告。情報機関などが地下に潜った容疑者を追跡するため、地元警察に協力していると明らかにした。
それによると、移民は密航費として1人当たり5000~8000ドルを組織に支払っていたという。
ギリシャ当局は国際水域を航行していた漁船が救助を拒んだと主張しているが、一部のメディアは沿岸警備隊が沈没寸前の漁船を放置し、大事故を招いたと報じている。
ギリシャ当局によると、漁船に乗っていた人々はいかなる救助も拒否し、イタリアに向かうと主張したという。
ギリシャ地検はこの船の乗組員であったとされるエジプト人9人を過失致死傷や組織的な人身売買に関与した罪で起訴している。
9人は今週、公判前整理で無罪を主張した。弁護士によると、9人は全員乗客であり、人身売買組織とは何のつながりもないという。