G7、中国産レアアースへの依存度低減策を協議
会合で共同声明は出されなかったものの、レアアースなどの重要鉱物のサプライチェーン強化、多様化、そして中国一極依存からの脱却が主要な議題となった。
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主要7カ国(G7)と同盟国の財務相・閣僚らが12日、ワシントンDCで会合を開き、中国のレアアース(希土類)や重要鉱物の供給依存を減らす方策について協議した。世界の先進国や新興国は電気自動車、再生可能エネルギー、半導体、軍事装備などの核心素材として不可欠なレアアースを巡り、供給網の安全保障と多様化の重要性を改めて確認した。
会合はベッセント(Scott Bessent)米財務長官の主催で、G7加盟国に加えてオーストラリア、インド、メキシコ、韓国の代表らも参加した。協議の中心テーマは、中国がレアアースやその他重要鉱物の精製や加工で圧倒的なシェアを占める現状への対応であり、供給網の強靱化や新たな供給源開発の必要性が共有された。
米財務省は声明で、安定した供給網の構築や多様化に向けて「リスクの軽減」を進めることを強調したが、経済的な「デカップリング(切り離し)」ではなく、慎重な協調を図るとの方針も示された。中国側が日本向けのレアアース輸出管理を強化したことも背景にあり、西側諸国の依存度低減が喫緊の課題となっている。
日本の片山(Satsuki Katayama)財務相は記者会見で、短期・中期・長期の政策アプローチを提示し、中国以外のレアアース供給源を強化するための政策ツールとして公的資金支援、税制優遇、貿易措置、最低価格設定などを挙げた。また人権や労働基準を尊重する市場を構築することの重要性も訴え、参加国間で「中国依存を迅速に減らす必要性」で広範な合意が得られたと述べた。
ドイツ財務相も、会合でレアアースの価格下限設定案を議論したと明かし、これにより中国以外の生産者が市場で持続可能な収益を得られるようにする意図があると説明した。ただし、価格下限の実施には外務・エネルギー担当相らとのさらなる協議が必要であり、多くの課題が残っていると指摘した。
会合で共同声明は出されなかったものの、レアアースなどの重要鉱物のサプライチェーン強化、多様化、そして中国一極依存からの脱却が主要な議題となった。専門家らは、中国がレアアース供給と精製で市場の大半を掌握している現状は供給リスクを高め、これが各国の産業戦略や国家安全保障政策に影響を及ぼしていると分析している。
このような議論は、単に経済的な問題にとどまらず、地政学的な競争の側面も含む。中国はレアアースの輸出を戦略的な交渉カードとして用いる可能性があり、このため西側は供給源の多元化と国内・同盟国での鉱山開発や精製能力の増強を進めている。オーストラリアなどは既に戦略的備蓄の設立や投資を拡大する動きを見せ、G7諸国と協力して新たな供給網構築を模索している。
今回の協議は中国の供給支配が引き起こす市場の脆弱性に対処しつつ、長期的な鉱物安全保障を確保するための国際協調の第一歩と位置付けられている。各国は今後、具体的な供給戦略や政策措置を詰めていく必要があるとしている。
