◎ドゥテルテ氏は在任時、麻薬組織に対する数千件の超法規的殺人を容認し、軽微な犯罪を含む薬物関連の被疑者6000人以上を殺害。西側諸国と人権団体の強い懸念を引き起こした。
2019年9月3日/フィリピン、首都マニラ、ドゥテルテ大統領と娘のサラ・ドゥテルテ氏(Getty Images/AFP通信)

フィリピンドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領が来年の上院議員選に出馬する予定である。娘のサラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領が25日、明らかにした。

ドゥテルテ氏は嵐のような任期を終え、2年前に退任。政界を引退すると表明したが、何度も撤回している。

サラ氏は記者会見で、2人の兄弟も選挙に出馬する予定であると明らかにした。

またサラ氏は近い将来、かつて市長を務めた南部ミンダナオ島ダバオに戻り、市長選に立候補する予定と述べた。

同氏はその時期については明言しなかった。

サラ氏とマルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領は2年前の選挙でタッグを組み、他の候補を圧倒、初当選を果たした。

しかし、ドゥテルテ家とマルコス家の関係はその後急速に悪化した。

ドゥテルテ派の国会議員は今年初め、マルコス氏が大統領の任期制限を撤廃する憲法改正を画策していると主張。独裁者である故フェルナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元大統領と同じような権威主義者となり、内戦に発展する恐れがあると警告した。

別のドゥテルテ派議員はマルコス・ジュニア氏を「麻薬中毒者」と呼んだ。

マルコス・ジュニア氏はこれらの主張を一蹴し、「ドゥテルテ氏こそ、フェンタニルを常用する中毒者である」と応戦した。

サラ氏は先週、この口論を受け、兼任する教育相を辞任すると発表。7月19日付けで辞任することが決まった。

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