バングラデシュ・ダッカの縫製工場で火事、9人死亡
火事は市中心部の工場地帯で発生。7階建ての縫製工場ビルの3階から出火したとみられる。
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バングラデシュ・ダッカの7階建てビルで火事があり、少なくとも9人が死亡、複数人が負傷した。消防が14日、明らかにした。
それによると、火事は市中心部の工場地帯で発生。7階建ての縫製工場ビルの3階から出火したとみられる。
消防の責任者は地元テレビ局の取材に対し、「隊員が少なくとも9人の遺体を収容し、従業員とみられる数人が病院に搬送された」と語った。
また責任者は「死傷者数はさらに増える可能性が高い」と述べた。
家事は夕方までに鎮火。消防が捜索・救助活動を続けている。
バングラデシュの衣料品業界は、同国の経済を支える基幹産業であり、輸出総額の約8割を占めている。
低賃金労働力を背景に、多くの国際的ブランドが製造拠点としてバングラデシュを利用しており、縫製工場が国内各地に集中している。
特にダッカ周辺には多数の工場が立地し、数百万人の労働者が従事している。その大半は女性であり、農村からの出稼ぎが多い。
産業の急成長により雇用機会が広がった一方で、労働環境の劣悪さや安全管理の不備が長年問題視されてきた。
2013年には衣料品工場の倒壊事故が発生し、1138人の労働者が死亡した。この事故を契機に、国際社会や企業の監視が強まり、労働環境の改善が進められているものの、未だ課題は残っている。
衣料品産業は外貨獲得と貧困削減に寄与しているが、持続可能な発展には人権や労働基準の向上が不可欠である。