SHARE:

フィリピン「ゴミ崩壊」、行方不明者の捜索続く、4人死亡

埋立地に設けられた廃棄物処理施設のゴミが崩れ落ちる「ゴミ雪崩」により、少なくとも4人が死亡、30人以上が行方不明となっている。
2026年1月10日/フィリピン、セブ市、廃棄物処理施設のゴミに押しつぶされた建物と救助隊(AP通信)

フィリピン中部セブ市にある埋立地で1月8日に巨大なゴミの山が崩壊した事故について、当局は10日、行方不明者の捜索を続け、一部区域で生存者の兆候を確認したと明らかにした。

当局によると、埋立地に設けられた廃棄物処理施設のゴミが崩れ落ちる「ゴミ雪崩」により、少なくとも4人が死亡、30人以上が行方不明となっている。 当局は24時間体制で捜索を続け、一部区域で生存の兆候が確認されたとして救助活動を強化している。

事故が起きたのはセブ市郊外にある施設で、ゴミの山が近くの建物に押し寄せた。現場には110人以上の作業員がいたとされ、これまでに12人が救助、病院に搬送された。捜索には警察、消防、災害対応要員など多数が参加し、時間との戦いを続けている。

捜索活動は極めて困難な状況で進められている。崩れたゴミや金属片、ねじれたトタン屋根などが瓦礫となって積み重なり、不安定な残留ゴミや有毒ガスの存在、アセチレンなど火災や爆発のリスクが伴っているためだ。セブ市当局は声明で、特定の箇所で「生存の兆候」が確認されたことを受け、より強力な50トン級クレーンの投入を進め、慎重に掘削を続けていると説明した。 同時に救助隊員の安全確保を最優先とし、危険区域の制御やアクセス制限の調整も行われている。

死亡した4人の中には施設のエンジニアや女性事務職員が含まれ、いずれもこの廃棄物処理施設の従業員であったという。事故直後の捜索では当初、2人の死亡と36人の行方不明者が報告されていたが、事態が進行する中で死者数が増加した。行方不明者の正確な人数は発表されていないが、引き続き多数が瓦礫の下にいる可能性があるとみられている。

生還した31歳の事務職員は地元テレビ局の取材に対し、「崩落は瞬時に起きた」と語り、「暗闇の中を這って光を目指し助けを求めた」と当時の状況を振り返った。この職員は顔や腕に打撲を負いながらも、自力で瓦礫から這い出して救助を待ったという。

この事故は埋立地での安全対策やごみ管理のあり方に対する懸念を改めて浮き彫りにしている。セブ市の人口は約100万人、貿易や観光の中心地であり、今回の事故で主要な廃棄物処理施設が機能停止に陥る懸念も出ている。市当局はごみ収集や処理の途絶による衛生上の問題への対策を検討しているが、詳細はまだ明らかにされていない。

フィリピンではゴミ山の崩壊事故が過去にも発生しており、2000年には首都圏近郊で大量のゴミが崩れ火災も併発する事故が起き、多数の死者を出した。このため専門家は、安全基準や規制の強化、廃棄物管理の抜本的な見直しが必要だと指摘している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします