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パキスタン・アフガン紛争、停戦終了、10人死傷、国境沿いで戦闘激化


戦闘は東部クナル州のパキスタン国境に近い2地域で発生した。
2025年11月25日/アフガニスタン、南東部ホスト州、パキスタンの空爆を受けたとされる集落(AP通信)

パキスタンとアフガニスタンの国境地帯で25日、ラマダン(断食月)明けの祭りイード・アル・フィトルに合わせて実施されていた一時停戦が終了し、戦闘が再開された。アフガン当局によると、この衝突で民間人少なくとも2人が死亡、8人が負傷した。

戦闘は東部クナル州のパキスタン国境に近い2地域で発生した。アフガンのタリバン暫定政権はパキスタン軍が砲撃を行ったと主張し、これに対して国境警備部隊が反撃したとしている。さらにタリバン側はパキスタン軍の前哨基地3カ所を破壊したと発表したが、真偽は不明である。

一方、パキスタン軍はアフガン側が先に攻撃を仕掛けたと反論、双方の言い分は大きく食い違っている。

今回の衝突は数日間の停戦が終了した直後に発生した。この停戦は先週、激化する軍事衝突を受け、サウジアラビアやトルコ、カタールなどの仲介により実現したもので、イード期間中の緊張緩和を目的としていた。しかし、停戦は短期間にとどまり、根本的な対立の解消には至らなかった。

両国の関係は2026年2月以降急速に悪化している。発端はパキスタン軍がアフガン領内の武装勢力拠点を標的に空爆を実施したことであり、これに対しタリバンが報復攻撃を行ったことで本格的な軍事衝突に発展した。以後、空爆や砲撃、ドローン攻撃などが繰り返されている。

特に緊張を高めたのが首都カブールにある施設への空爆である。アフガン側は400人以上が死亡したと発表し、民間施設への攻撃だと強く非難したのに対し、パキスタン側は武装勢力の拠点を狙ったものと説明している。

対立の背景には両国を行き来する武装勢力の存在がある。パキスタンは国内で攻撃を繰り返すイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)がアフガニン領内に拠点を置いていると非難しているが、タリバンはこれを否定している。こうした不信関係が軍事的緊張を長期化させる要因となってきた。

また、国境線をめぐる歴史的対立も根深い。両国はこの国境の正当性をめぐって長年対立し、今回の衝突もそうした構造的問題の延長線上にあると指摘されている。

停戦終了により、両国間の緊張が再び高まっている。国際社会は自制を呼びかけているが、双方の主張の隔たりは大きく、事態の沈静化は見通せない。地域全体の不安定化を懸念する声も強まっており、今後の動向に注目が集まっている。

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