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豪シドニー銃乱射事件、16人死亡、容疑者は親子、父親死亡、息子意識不明の重体

事件は日没前の午後6時45分ごろに発生。ユダヤ教の祭日「ハヌカ」の会場近くで2人の男が銃を乱射し、ニューサウスウェールズ州警察どによると、少なくとも16人が死亡、約40人が負傷した。
2025年12月14日/オーストラリア、シドニー近郊、銃撃事件が発生した現場近く(ロイター通信)

オーストラリア・シドニー近郊のボンダイビーチで14日夕方に発生した銃乱射事件について、捜査当局は15日、この事件を反ユダヤ主義によるテロ攻撃と断定した。

事件は日没前の午後6時45分ごろに発生。ユダヤ教の祭日「ハヌカ」の会場近くで2人の男が銃を乱射し、ニューサウスウェールズ州警察どによると、少なくとも16人が死亡、約40人が負傷した。負傷者には警察官も含まれている。死者の年齢は10歳から87歳と幅広い。容疑者は「親子」で、2人以外の関与者は確認されていないという。

地元メディアによると、2人は現場の歩道橋上から発砲を続け、父親(50歳)は警察官に撃たれ死亡、息子(24歳)も被弾し、意識不明の状態で病院に搬送された。

当局は親子が計画的に犯行に及んだとみており、犯行に使われた複数の銃器を押収、周辺で捜索を継続している。警察はこれ以上の容疑者は関与していないとし、現場周辺を封鎖、薬莢などの証拠を集めている。

銃撃は10分間にわたって続いたとされ、悲鳴や混乱の中で市民や観光客らが逃げ惑う様子が目撃された。襲撃直後、現場付近では数百人の警察官が展開し、道路封鎖や救命活動が行われた。負傷者の多くは病院に搬送され治療を受けており、重傷者も多数含まれている。

SNSに投稿された動画には砂浜に倒れた人々や救急隊が駆け付ける様子が映っていた。

アルバニージー(Anthony Albanese)首相は声明で「純然たる悪意の行為」であり、政府は反ユダヤ主義とテロに断固として立ち向かうと表明した。またアルバニージー氏は犠牲者と遺族に哀悼の意を表し、宗教や人種に基づく憎悪に屈しないとの決意を示した。世界各国の指導者もオーストラリアへの連帯を表明し、犠牲者とその家族への支援を約束している。

事件現場と周辺では依然として捜査が続けられており、警察はIED(即席爆発装置)とみられる爆発物についても処理を進めている。また警察はシドニー西部にある容疑者の自宅を捜索し、関連資料や物品を押収、動機や背景について捜査が進行中だ。警察はこの攻撃が計画的に準備された可能性が高いと述べ、地域社会に対する警戒を呼び掛けている。

地元住民や被害者の家族らは悲嘆に暮れるとともに結束を訴え、暴力に屈しない姿勢を示している。

シドニー市は葬儀や追悼式の計画を進めるとともに、ハヌカを祝う行事の安全強化を急いでいる。今回の銃撃事件はオーストラリアにおける最悪の銃犯罪の一つとして国内外に衝撃を与えている。

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