◎スペースX社はスターリンクと呼ばれる約2,000基の低軌道衛星ネットワークを運営しており、世界中の遠隔地にインターネットサービスを提供している。
2月9日、トンガの現地メディアによると、テスラ社のイーロン・マスクCEOが海底火山の噴火で切断されたトンガのインターネット通信の復旧支援にあたっているという。
フンガ・トンガ島とフンガ・ハアパイ島の間に位置する火山フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイは1月15日に噴火し、トンガとフィジーを結ぶ唯一の光ファイバーケーブルを切断した。
トンガ政府によると、噴火後に発生した津波の犠牲者はこれまでに少なくとも3人確認され、離島の小さな集落はほぼ全壊し、数千人が避難生活を余儀なくされている。
赤十字の太平洋地域を代表するグリーンウッド博士はソーシャルメディアに、「多くの住民が避難を余儀なくされ、コロナウイルスの侵入で島の医療システムは危機に直面している」と投稿し、懸念を表明した。
トンガ政府は先週、支援作業にあたっていた要因が陽性と診断されたことを受け、国境を再び閉鎖した。
AP通信によると、2G接続は通信プロバイダーの取り組みで復旧したが、回線は需要に圧倒されており、つながりにくい状態が続いている。
フィジーのカイユム司法長官は9日、「マスクCEOのスペースX社のチームがフィジー入りし、スペースXの衛星を通じてトンガのインターネット通信を確立する準備を進めている」とツイートした。
スペースX社はスターリンクと呼ばれる約2,000基の低軌道衛星ネットワークを運営しており、世界中の遠隔地にインターネットサービスを提供している。
カイユム司法長官の広報担当はAP通信の取材に対し、「私たちもスターリンク衛星に関する情報を待っている」と述べた。
マスクCEOはフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイの噴火から数日後にツイッターを更新し、トンガのインターネット通信はスターリンク衛星でより早く復旧できると示唆していた。
ニュージーランド国民党のシェーン・レティ議員はマスクCEOに書簡を送り、トンガの復興をサポートするよう要請したと伝えられている。
一方、フィジーとトンガを結ぶ海底ケーブルの所有である国営のトンガ・ケーブル社によると、復旧作業は来週末には完了する見込みだという。
国連の報道官は今週の会見で、トンガにインターネット通信を強化するために小型衛星とその他の通信支援を提供したと明らかにした。ユニセフはコロナの迅速検査キット1万5,000個、世界保健機関(WHO)はPCR検査キット5,000個を提供している。
トンガの保健省によると、2月9日の新規陽性は19件に増加したという。これで国境封鎖後の累計陽性は34件になった。
トンガのワクチン接種は順調に進んでおり、保健省によると、少なくとも1回接種した人は8日時点で12歳以上の97%、2回接種を終えた人は88%を超えた。
現地メディアによると、国境封鎖以降、数千人がワクチン接種を終えたという。7日に2回目を接種した人は281人、初回接種が140人。トンガの人口は約10.5万人。