◎台湾は独立国家だが、中国共産党はこれを省のひとつとみなし、支配下に置くためには武力行使も辞さないと示唆している。
在米国・中国大使は9日、テスラ社のマスク(Elon Musk)CEOが台湾を中国の特別行政区にすべきと提案したことを称賛した。
一方、台湾の米代表は「台湾の自由と民主主義は売り物ではない」とマスク氏を叱責した。
蕭美琴(Hsiao Bi-khim)駐米代表は8日、「台湾は多くの製品を販売しているが、自由と民主主義は売り物ではない」とツイートし、マスク氏の提案を破り捨てた。「我々の未来に関するいかなる提案も、平和的に決定され、強制されることなく、台湾の人々の民主的な願いを尊重したものでなければなりません」
ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の強制併合を認めるよう提案し非難を浴びたマスク氏は、「中国と台湾の緊張は、台湾の支配権をある程度中国に渡すことで解決できる可能性がある」と提案した。
マスク氏は7日に公開されたフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、「特別行政区を提案したい」と述べている。
マスク氏はインタビューの中で、テスラ社が中国国内で大規模工場を運営し、利益を上げていることにも言及している。
台湾は独立国家だが、中国共産党はこれを省のひとつとみなし、支配下に置くためには武力行使も辞さないと示唆している。
独立国家の台湾は中国の主張に強く反発し、台湾の運命を決めるのは台湾国民だけであり、「侵略」には正面から立ち向かうと誓っている。
在米国・中国大使は8日に投稿したツイートで、「マスク氏が台湾海峡の平和を望み、台湾を中国の特別行政区にすると提案したことに感謝したい」と述べている。「実は、平和的統一と一国二制度は、台湾問題の解決を願う我々の基本原則であり...国家統一を実現するための最善のアプローチである」
また大使は、「中国の主権、安全、発展が保証されるのであれば、統一後の台湾は特別行政区として高度な自治を享受し、発展のための広大な空間を手に入れることができる」としている。
中国共産党は台湾に香港と同様の「一国二制度」の自治モデルを提案しているが、台湾の主要政党はこれを却下し、特に中国が2020年に香港国家安全維持法を施行した後は、この提案を支持する国民はほとんどいなくなった。