中国・甘粛省でM5.6の地震、11人負傷=国営メディア
地震は現地時間午前5時49分に隴西県で発生、震源の深さは10キロ、津波は発生しなかった。
.jpg)
中国北西部の甘粛省で27日午前、マグニチュード5.6の地震が発生し、少なくとも11人が負傷した。国営メディアが報じた。
中国中央テレビ(CCTV)によると、11人が地元の病院に搬送され、5人が入院。容体は安定しているとのこと。
地震は現地時間午前5時49分に隴西県で発生、震源の深さは10キロ、津波は発生しなかった。隴西県は省都蘭州市の南東約140キロに位置する。
報道によると、17棟の家屋が倒壊、3500棟以上の家屋が損壊し、約7800人が避難を余儀なくされたという。
CCTVがネットに投稿した動画には、救助隊員がシャベルで瓦礫を撤去する姿が映っていた。
中国は地震活動が非常に活発な地域であり、その主な原因は国土の広範囲に分布する活断層にある。特に西部から中部にかけての地域には、ユーラシアプレートとインドプレート、太平洋プレートなどの複数のプレートが接する複雑な地質構造が存在し、それによって多数の活断層が形成されている。
代表的な活断層としては、チベット高原から四川省を経て雲南省に至る「チベット-雲南地震帯」、さらに北中国平原を横断する「タンルー断層帯」、西部の「クンルン断層」や「アラカン断層」などがある。これらの活断層は、地殻変動によるストレスの集中によって地震を引き起こす要因となっており、過去にも多数の大地震を発生させてきた。
中国における代表的な地震災害には2008年の四川大地震(汶川地震)がある。この地震はM7.9を記録し、死者は約7万人にのぼった。震源付近には「龍門山断層帯」が存在しており、この断層の活動によって発生した地震であった。また、1976年に発生した河北省唐山市の地震(唐山地震)は、M7.5の規模で24万人以上が死亡したとされ、20世紀最大級の地震災害のひとつとなった。
政府はこれらの活断層の存在と地震リスクを認識し、地震予測・防災体制の整備を進めている。中国地震局(CENC)を中心に、全国に多数の地震観測所を設置し、リアルタイムで地震活動を監視している。また、近年では人工衛星を活用した地殻変動のモニタリングや、GPSによるプレートの動きの観測も進められている。