バングラデシュで「デング熱」急拡大、専門家が緊急対策要請
デング熱はネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊を媒介として広がるウイルス性感染症である。
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バングラデシュの保健当局は7日、デング熱の感染拡大が続いていると指摘し、緊急かつ協調的な蚊対策が実施されなければ、感染がさらに拡大する恐れがあると警告した。
それによると、今年の感染者は6日時点で5万689人、死者は215人となっている。
暫定政府の専門家チームはX(旧ツイッター)への投稿で、「デング熱の流行は9月時点で既に深刻だったが、気候変動と大雨、殺虫剤散布を妨げた地方政府の対応不足により、今月はさらに深刻な状況に陥る可能性がある」と指摘した。
デング熱はネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊を媒介として広がるウイルス性感染症である。
高熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹などを特徴とし、重症化するとデング出血熱やデングショック症候群を引き起こし命に関わる。
ワクチンや特効薬は限定的で、主な対策は蚊の発生源対策と刺咬予防である。
温暖化により蚊の繁殖期が長くなった一方、清掃や殺虫剤散布活動の遅れが問題を悪化させている。かつては主に都市部に限定されていたデング熱が、現在では小都市や農村部へ拡大しており、全国的に風土病化する恐れが高まっている。
病院の負担が増大し感染者数が増加を続ける中、保健当局は今後数週間で危機が深刻化することを懸念している。
2023年には32万1000人以上が感染し、1705人が死亡。専門家らは、強力な予防措置が講じられなければ、これに匹敵する感染爆発が起きる可能性があると警告している。
世界保健機関(WHO)のデータによると、近年デング熱の発生件数は急増しており、年間で推定3億9000万人が感染、そのうち症状を呈するのは約9600万人とされる。特に東南アジアやラテンアメリカでの流行が顕著であり、都市化や地球温暖化によって蚊の生息範囲が広がり、感染リスクはさらに拡大している。