◎ナイキはベトナム国内で45万人以上を雇用しており、その約80%は女性である。
ベトナムの現地メディアによると、コロナウイルスの感染拡大によりナイキの工場が操業停止に追い込まれ、サプライチェーンに影響が出る可能性があるという。
ナイキが2020年に製造した靴の約50%はベトナム工場製であり、今回の操業停止は世界の市場に影響を与える可能性がある。
ナイキは20日の声明で、「同社の最優先事項は現地スタッフの健康と安全を守ることです」と述べた。
また、コロナの感染状況を考慮しながら現地のサプライヤー(商品などの供給者)と協力すると強調した。「同社とサプライヤーは問題に対処する自信を持っていますが、コロナの感染状況およびスタッフの健康と安全を考慮し、次のステップは慎重に検討します...」
工場の一時閉鎖が決まったPOU CHEN GROUPはアディダスの靴も製造している世界最大のブランド靴製造メーカーである。
ベトナムの保健省は20日、「POU CHEN GROUPのホーチミン工場は10日間操業を停止する」と発表した。現地メディアによると、同工場はホーチミン市で最も多くの労働者を雇用しており、約56,000人が働いているという。
ナイキはベトナム国内で45万人以上の労働者を雇い、その約80%は女性である。
ナイキと並ぶ人気スポーツブランドのプーマもベトナムに工場を持っており、同様の問題に直面する可能性がある。また、Appleとサムスンはコロナの震源地になった北部にサプライヤーを持っている。
サムスンはホーチミン市にある3つの工場を一時閉鎖した。同社はベトナム国内で全社の携帯の約50%を製造している。保健省によると、サムスンはホーチミン市の工場の人員を7,000人から3,000人に削減したという。
人件費の増加や関税の見直しなどに伴い、近年多くの企業が中国からベトナムを含む他の国々に生産拠点を移している。
保健当局のまとめによると、ベトナムの7月19日の新規陽性者数は4,335件、死亡者数は過去最高を更新する80人だったという。首都ハノイではガソリンスタンドや食料品店などの必要不可欠な店舗以外は全て閉鎖されており、政府は市民に外出を控えるよう促した。