◎パキスタンでは近年、中国企業が関与する建設工事やその関係者が標的になっている。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で今週発生した自爆テロについて、中国の捜査当局が現地入りした。パキスタン政府が29日、明らかにした。
この自爆テロはアフガン国境に近いカイバル・パクトゥンクワ州の水力発電ダム建設現場近くで26日に発生。中国人労働者を乗せたバスに爆発物を積んだ車が突っ込み、中国人5人とパキスタン人1人が死亡した。
中国外務省はこの攻撃を糾弾し、パキスタン政府に対し、攻撃に関与した組織を厳しく罰するよう要請した。
また同省はこの水力発電ダムを含むパキスタン国内の建設現場で働く中国人の命を守るよう求めた。
パキスタン内務省の報道官は29日、中国の捜査当局が現地入りし、地元警察から事件の説明を受けたと明らかにした。
パキスタン当局と在中国大使館は2日前に事件の概要を共有したと報告していた。
当局によると、犯行声明を出した組織は確認されていないものの、アフガンと国境を接する南西部バルチスタン州の分離主義勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」に疑惑の目が向けられている。
TTP(パキスタンのタリバン運動)はこの事件に関するコメントを出していない。
パキスタンでは近年、中国企業が関与する建設工事やその関係者が標的になっている。
2021年7月には中国とパキスタンの技術者や労働者を乗せたバスの近くで爆発物を積んだ車が爆発。中国人9人を含む13人が死亡した。