中国共産党、民生向け公共投資拡大、消費喚起へ、低迷抜け出せず
近年、中国の家計消費が減速している背景には、複数の構造的要因と短期的要因が重なっている。
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中国の中央金融経済委員会は24日、今後5年間で民生向け公共投資の割合を増やし、GDPに占める家計消費の割合を「大幅に」引き上げると表明した。
共産党は今週、2026~30年の経済・その他政策目標の骨子を公表。指導部は家計消費よりも製造業と技術部門への投資を優先していることが示された。
この方針を受けて、ハイテク株中心の中国科創板50(STAR50)は24日午前の取引で3%上昇した。
習近平(Xi Jinping)国家主席は8月の新五カ年計画に関する会議で「中国は重要技術分野での突破を目指すべきだ」と述べていた。
また習主席は教育・科学技術・人材の統合的発展を推進すべきだと付け加えた。
この計画は技術革新と産業高度化にさらに重点を置く一方、政策当局者は国内消費拡大に向けたさらなる努力を約束した。
近年、中国の家計消費が減速している背景には、複数の構造的要因と短期的要因が重なっている。
まず最大の要因は所得の伸び悩みである。経済成長がかつての二桁台から減速し、企業収益や雇用環境の改善が鈍化したことで、可処分所得の増加ペースが落ちている。
特に若年層では雇用不安が強く、就業機会の不安定化や賃金の停滞が消費マインドを冷やしている。
さらに、不動産市場の低迷も大きい。長年、資産形成の中心であった不動産価格が下落基調に入り、家計が「資産効果」を失っている。
住宅ローン負担も重く、可処分所得の多くが返済に回るため、日常消費が抑制されている。加えて、政府の社会保障制度が依然として十分ではなく、医療・教育・老後資金への不安から貯蓄・節約志向が強まっている。
コロナ禍後も消費回復が持続しないのは、心理的な慎重姿勢が根強いからである。景気の先行きに対する不透明感が強く、家計は支出を控えて将来に備える傾向を強めている。
結果として、中国経済の成長モデルは投資・輸出主導から内需拡大型への転換が進まず、消費の低迷が経済全体の重しとなっている。
