◎乗客113人と乗員9人は全員避難した。
中国北部の重慶江北国際空港で12日、チベット航空の旅客機が離陸時に滑走路を外れて炎上した。
チベット航空によると、事故は12日の午前8時9分に発生したという。機種はエアバスA319-115型、乗客113人と乗員9人は全員避難した。
中国民用航空局(CAAC)によると、避難中に36人が捻挫や擦り傷を負った。
事故を起こしたTV9833便はチベット自治区の寧辺に向かう予定だった。
国営メディアが公開した映像には、機体の左前方から炎と黒煙が上がり、乗客と思われる人々が避難する様子が映っていた。
CAACは声明の中で、「離陸の際、乗務員が機体の異常を確認し、手順に従い離陸を中止しました。機体は滑走路を離れ、地面に接触炎上しました。消火活動は終了しています」と述べている。
乗客のひとりは地元紙に、「離陸直後に異音を聞き、その後、機体が片側に傾き始め、翼が地面に接触した」と説明した。「異常を感じた瞬間に前かがみになり両手で頭を抑えましたが、衝撃は強く、負傷しました」
別の乗客は「生きていてよかった」と語った。「私は人生の運を使い果たしました...」
国営メディアによると、同機は9年半前に製造されたものだという。
重慶江北国際空港は事故から約2時間後に運航を再開した。CAACによると、事故機のある滑走路は閉鎖し、調査を行っているという。
中国では3月末に中国東方航空のボーイング737-800が墜落したばかり。この事故では乗客乗員132人全員が死亡した。
事故機のフライトデータレコーダーとコックピットボイスレコーダーは回収されているが、いずれも損傷が激しく墜落の原因はまだ特定されていない。