◎国は先月、ソロモン諸島と安全保障協定を締結し、世界に衝撃を与えた。
中国外相は26日、南太平洋の10カ国に安保・経済協定を提案する10日間の公式訪問をスタートさせた。
王毅(Wang Yi)外相率いる代表団はソロモン諸島の空港で歓迎を受け、首相府へ向かったと伝えられている。
AFP通信などによると、中国は南太平洋の10カ国に安全保障や経済面の協力を大幅に拡大する計画を提案したという。
王外相はキリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア、東ティモールを公式訪問する予定である。
AP通信は中国が10カ国に提案したとされる協定の「草案」について、「この地域の漁業から安全保障を含む広い範囲をカバーするもので、習近平(Xi Jinping)国家主席のこの地域における野心を示している」と報じた。
一部の専門家は経済面の協力に懸念を表明している。
中国の「債務トラップ」に引っ掛かった破綻寸前のスリランカは、借金と引き換えに主要港湾インフラを中国に引き渡している。専門家はこれと同じ事態が南太平洋の小国で発生し、中国は借金と引き換えに軍事基地の建設を認めさせる可能性があると警告している。
一方、ソロモン諸島と安全保障条約を結んでいるオーストラリアはウォン(Penny Wong)外相をフィジーに派遣することで、中国の動きに対抗しようと躍起になっている。
ウォン氏は今週初めの選挙後まもなく外相に就任し、25日に東京から帰国したばかりである。
AUSのアルバニージー(Anthony Albanese)首相はAUS放送協会(ABC)のインタビューの中で、「我々はこの地域で影響力を高めようとしている中国に対応しなければならない」と決意を表明した。「第二次世界大戦以来、AUSはこの地域のパートナーと安全保障を確立し、地域の安定に貢献してきました...」
一方、ソロモン諸島メディア協会は25日、首都ホニアラで26日に行われる予定の王外相とマネレ(Jeremiah Manele)外相の共同記者会見をボイコットするよう会員に呼びかけた。
同協会によると、共同記者会見で質問を許可されているメディアは中国国営CCTVのみだという。
同協会の会長はツイッターに、「ボイコットは難しい判断だと思う」と投稿している。「政府は私たちメディア、ソロモン諸島の国民が失望していることを知るでしょう。政府は私たちを失望させ、民主主義を守ることに失敗したのです...」
中国は先月、ソロモン諸島と安全保障協定を締結し、世界に衝撃を与えた。
この協定により、中国は社会秩序を維持するために、ソロモン諸島の要請に基づき、中国軍(警察含む)を派遣できるようなった。また相手国の書面による同意がない限り、どちらも任務を公にすることはできない。
米国と太平洋諸国はこの協定により、中国がソロモン諸島内に軍事基地を建設する可能性があると深刻な懸念を表明した。しかし、ソロモン諸島のソガバレ(Manasseh Sogavare)首相は西側の懸念を却下し、島内に基地を建設する計画はないとしている。