◎火災は21日の現地時間午後4時頃に発生し、約4時間後に鎮火した。
中国の国営メディアは23日、中部河南省の安陽(あんよう)市で発生した工場火災について、4人が拘束されたと報じた。
火災は21日の現地時間午後4時頃に発生し、約4時間後に鎮火した。現場は河南省の最北部に位置する安陽市の工業地帯。当局によると、38人の死亡が確認されたという。
中国中央テレビ(CCTV)は関係者の話を引用し、「工場内で行われていた溶接作業の火花が火元」と報じているが、詳細は不明だ。
報道によると、この会社は特殊化学品に分類される製品を扱う卸売業者だという。
安陽市の市長は22日遅くの記者会見で、「従業員2人と衣料品会社の従業員2人が拘束された」と説明した。市長によると、4人は逮捕されたわけではないという。
また市長は「工場の安全管理体制を徹底的に調査する」とした。
新華社通信によると、工場内にいたとされる2人が負傷し、医療機関で治療を受けているという。容体は不明。
河南省は経済的に重要な地域のひとつで、これまでに地元当局者が逮捕されるような死亡事故が何度も報告されている。
2015年に北部の港湾都市・天津市の化学品倉庫で発生した爆発事故では173人が死亡したとされ、そのほとんどが消防士と警察官だったと報告されている。CCTVによると、この倉庫は化学品の保管と登録規則を遵守せず、地元当局者もそれを認識したうえで黙認していたという。
北東部の吉林省長春市で今年9月末に発生したレストラン火災では17人が死亡。湖南省長沙市で4月に発生したビルの倒壊事故では53人が死亡している。