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中国・習近平国家主席、ベトナムとの協力強化呼びかけ

中国中央テレビ(CCTV)によると、習主席は両国関係の安定と発展を強調し、「共通の未来を共有する共同体」という表現で中国とベトナムの関係を評価したという。
中国の習近平国家主席(ロイター通信)

中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は26日、ベトナムのトー・ラム(To Lam)党書記長と電話会談を行い、両国の協力関係を一段と強化する考えを示した。トー・ラム氏は先週、5年の任期で再任された。中国中央テレビ(CCTV)によると、習主席は両国関係の安定と発展を強調し、「共通の未来を共有する共同体」という表現で中国とベトナムの関係を評価したという。

また習主席は地域および国際的課題に関して両国が協力を深めるべきだと述べ、双方が基本原則を堅持しつつ、発展と革新の推進、さまざまなリスクと挑戦への対応に共に取り組む必要性を強調した。さらに「覇権主義や対立に共に反対すべきだ」との考えを示したが、特定の国名には触れなかった。

中国とベトナムは共に共産党政権下の国家であり、歴史的に複雑な関係を有している。南シナ海をめぐる領有権問題などで対立が続く一方で、共産党レベルでの関係は公式には密接なものとなっている。経済や貿易、政治面での交流を継続し、習主席は今回の電話会談でそのような関係の重要性を再確認した。

電話会談はトー・ラム氏が共産党中央委員会の指導のもと書記長に再任された後に行われた。習主席はトー・ラム氏の再任に祝意を表し、中国政府がベトナムとのコミュニケーション強化に意欲的であることを伝えた。両指導者は互いの発展目標に理解を示し、さらなる協力深化の可能性を探る意向を示した。

米中関係が関税や貿易不均衡を巡って緊張する中、ベトナムは米国との関係も深めている。ベトナムは2025年に複数の米国製品の関税削減を約束し、スペースXの衛星サービス「スターリンク」の導入を進めるなど、米国市場へのアクセス強化を模索している。トランプ政権は一部の中国製品がベトナムを経由して米国に輸出されているとして批判したことがある。こうした背景もあり、中国側はベトナムとの戦略的協力を強調しているとの見方がある。

トー・ラム氏側も、国際情勢が複雑化する中で政治的信頼の強化、実務協力や人民間交流の拡大、地域フォーラムでの連携強化の重要性を指摘している。両国は外交、国防・治安、司法協力など多方面での協力を継続的に推進する方針を共有している。

この電話会談は、地域内での戦略的な立ち位置や大国間の競争が激しくなる中で、中国がベトナムとの関係を安定させ、東南アジアでの影響力を維持・拡大しようとする動きの一環と受け止められている。両国は今後も経済・貿易面での連携を強めると同時に、南シナ海などの地域的な課題への対応を協議していくとみられる。

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