◎中国中央電視台(CCTV)によると、習国家主席は7月21日から23日までチベット自治区に滞在したという。
中国の国営メディアは23日、習近平 国家主席がチベット自治区を訪問したと発表した。中国の指導者がチベットを訪問したのは1990年の江沢民 国家主席以来約30年ぶり。
中国中央電視台(CCTV)によると、習国家主席は7月21日から23日までチベット自治区に滞在したという。今回の訪問は事前に通知されていなかった。
中国共産党は近年、チベットの仏教僧院の管理を強化し、チベット語ではなく中国語での教育を拡大している。共産党の政策に批判的な者は日常的に拘留されており、2008年の小規模な蜂起後にインドに亡命したダライ・ラマ14世はチベットに戻った場合、長期刑に直面する可能性がある。
共産党はインド北部ダラムサラに本拠を置くチベット亡命政府を認識しておらず、ダライ・ラマ14世はチベットを中国から分離させようとしていると非難している。
一方、チベット地域の産業は共産党のインフラ投資で大幅に強化された。共産党は地域に新しい空港、鉄道、高速道路を建設し、ブラマプトラ川上流のヤルンツァンボ川流域ではダム工事を進めている。
新華社通信によると、習国家主席は空港から鉄道に乗り、ダライ・ラマの本拠であるラサのポタラ宮などを視察したという。
人権団体「真実の光賞」は22日、チベットの住民は習国家主席の訪問に先立ち、「当局の異常な事前チェックと厳しい監視に直面した」と述べた。
多くの追放されたチベット人は共産党を宗教弾圧と文化の抑圧で非難している。僧侶の焼身自殺を含む多くの抗議は世界中で物議を醸した。
チベットはモンゴル帝国の支配を乗り越え、事実上独立していた比較的平和な時代の後、中国の圧力に直面した。
中国は1950年にチベットの主権を確立するために軍隊を派遣した。結果、一部地域はチベット自治区になり、その他は中国の州に編入された。
中国はチベットに対する圧力を強化し、インドとの関係をさらに悪化させた。
昨年、中国軍とインド軍は争われているチベットの高地国境付近で衝突し、投石攻撃などにより数人が死傷したと伝えられている。
インドのナレンドラ・モディ首相は先日、「ダライ・ラマ14世と電話で話し、元気になることを願っていると伝えた」とツイートした。モディ首相がダライ・ラマ14世と話したことを公にしたのは初めて。