◎アジアゾウは絶滅危惧種に指定されており、中国は国を挙げて保護活動を推進している。
中国雲南省の当局者によると、同省シーサンパンナ・タイ族自治州の自然保護区から旅に出たアジアゾウの群れは自宅近くの土地に戻ったという。
群れは今年4月に雲南省の自然保護区の北約100kmの地点で初めて目撃され、以来当局は監視を続けてきた。新華社通信によると、群れは当初17頭だったが、このうち2頭は何かしらの理由で先に帰宅し、雌6頭、雄3頭、未成年3頭、子供3頭の計15頭で旅を続けていたという。
その後、15頭から大きく離れた雄1頭が先に保護区に戻り、群れは14頭になった。
地方自治体はゾウを監視するためにトラック、当局者、ドローンなどを配備し、交通規制を張り、食料を使って人口密集地域から群れを遠ざけた。しかし、気ままなゾウたちは途中の村に立ち寄ると窓に鼻を突っ込んだりフラフラ周囲を散策するなどして騒ぎを起こし、雲南省の省都昆明市でも混乱を引き起こした。
新華社通信によると、ゾウたちは8日遅くに雲南省の元江川を渡り、自然保護区に戻っている最中だという。
現地メディアの取材に応じた当局者は、「ゾウたちは1年以上前に何かしらの理由で保護区を離れ、500km以上北上し、その後当局に発見され、帰路についた」と述べた。
アジアゾウは絶滅危惧種に指定されており、中国は国を挙げて保護活動を推進している。結果、土地の開拓により自然は大きく減少したにもかかわらず、中国国内の個体数は約300頭まで回復したという。
新華社通信によると、群れは8日遅くの時点で自然保護区から約200kmの地点を移動中だという。帰宅には数週間かかる見込み。
国花林業草地局は声明で、「群れは適切な生息地に戻った」と述べた。
当局によると、ゾウたちの監視は自然保護区に到達するまで続くという。