◎ウルトラマラソン100kmレースは5月22日に甘粛省白銀市の観光地、イエローリバーストーンフォレストで開催された。
中国のメディアによると、共産党指導部は北西部の甘粛(かんしゅく)省白銀市で先月末に発生したウルトラマラソン死亡事故に関与したとされる地方政府の高官27人を罰したという。
ウルトラマラソン100kmレースに参加した選手たちは山岳地帯で雨と強風に見舞われ、21人が死亡した。21人の正確な死因は明らかにされていないが、新華社通信は低体温症と報じた。
共産党指導部は事故を受け、明確な監視、規則、安全基準を満たさない全てのスポーツイベントを一時停止すると発表した。
当局者は6月11日、ウルトラマラソンの調査結果を公表した。報告によると、「レースは非標準的かつ非専門的で、安全基準を欠いた結果、重大事故につながった」という。
新華社通信は報道の中で、甘粛省景泰(けいたい)県の自治体の長、白銀市の市長、共産党首席が懲戒処分を受けたと述べた。また、レースを主催した民間企業のオーナーである張暁燕 氏は拘束され、刑事罰を受けるという。
また、新華社通信は別の報道で、景泰県 共産党書記がアパートから飛び降り自殺したと報じた。詳細は明らかにされていないが、殺人の可能性は除外されたと伝えられている。
新華社通信は、「指導部は甘粛省政府の役人27人に罰を下した」と報じた。なお、自殺した書記は罪を免除されたが、書記代理は解任されたという。
ウルトラマラソンは5月22日に甘粛省白銀市の観光地、イエローリバーストーンフォレストで開催された。ランナーたちは現地時間午前9時に出発し、速い選手は10時間以内にゴールすると期待されていた。
生き残った選手は現地メディアの取材に対し、「ある程度の風雨は予想していたが、現地の気候は予想よりはるかに悪かった」と述べた。
白銀市の関係者によると、スタートから約3時間後、山岳地帯の気温は雹、大雨、強風の影響で急激に低下したという。死亡した選手の多くが大雨の影響で道に迷ったと伝えられている。
レースで妹を失ったある女性はニューヨーク・タイムズ紙の電話取材に対し、「地方政府は事故に関する情報が外部に漏れないよう遺族に圧力をかけている」と述べた。「地方政府は私たちを監視しています。彼らは自分に不利な情報が外部に漏れることを恐れています。
女性によると、地方政府は和解金95万元(約1,600万円)で事故を忘れるよう要求したという。女性はこの申し出を断った。