◎乗客乗員132人を乗せた5735便は3月21日午後2時20分頃に墜落した。
米ウォール・ストリート・ジャーナルは17日、中国南部広西チワン自治区で3月に発生した中国東方航空の旅客機墜落事故について、意図的行為によって発生したものとみられると報じた。
乗客乗員132人を乗せた5735便(ボーイング737-800型)は3月21日、昆明市から広州市に向かって飛行中、広西チワン自治区の山間部に墜落した。
ABCニュースは政府当局者のコメントを引用し、「5735便のフラップ(主翼後縁にある高揚力装置)は作動しておらず、着陸装置も下ろされていなかった」と報じた。
この政府当局者によると、旅客機はほぼ垂直に近い状態で降下しており、故意の可能性が高いという。
中国当局は3月の会見で、「旅客機は深さ20メートルもの穴が開く勢いで地面に激突した」と報告していた。
またABCニュースによると、中国の捜査当局はパイロットの1人の私生活を調査し、事故当日、何かしらの問題を抱えていた可能性があるという。
中国はブラックボックスひとつであるコックピットボイスレコーダーは3月23日に、フライトデータレコーダーを3月27日に回収し、初期調査を終えたのち、ボーイング社に引き渡した。
米国家運輸安全委員会(NTSB)は事故に関するすべての情報を中国民用航空局(CAAC)から得ていないとされる。
ウォール・ストリート・ジャーナルは当局者のコメントを引用し、「NTSBとボーイング社は機械的な問題ではないと指摘し、CAACも同様の見解を示しているとみられる」と報じた。
またウォール・ストリート・ジャーナルは、「NTSBは中国東方航空5735便の事故について、これ以上の最新情報を発表することはない。CAACがいつ、どのような情報を出すかは彼ら次第であり、NTTBはCAACの計画について何も聞いていない」と報じている。
飛行追跡サイトFlight Radar24.comのデータによると、5735便は現地時間21日午後2時20分頃に急降下した。直前の高度は約3万フィート、速度は455ノット(842km/h)で、降下し始めてから96秒後にデータ送信を停止した。
SNSでは5735便がほぼ垂直に墜落する動画が共有されている。