◎ドイツに拠点を置く世界ウイグル会議は180以上の団体に北京2022冬季五輪をボイコットするよう求めており、当局者は大会を「ジェノサイド(大量殺戮)オリンピック」と呼んだ。
3月3日、中国政府のスポークスマン、郭 偉民(カク イミン)氏は声明で、北京2022冬季オリンピックをボイコットするという呼びかけは失敗する運命にあると述べた。
また、中国がコロナウイルスに関連する支援を世界に提供し、その見返りに外交上の利益を求めているという憶測を嘲笑し、「中国政府は世界にサービスを提供するという国際的な義務を果たしているだけだ」と強調した。
ドイツに拠点を置く世界ウイグル会議は180以上の団体に北京2022冬季五輪をボイコットするよう求めており、当局者は大会を「ジェノサイド(大量殺戮)オリンピック」と呼んだ。
中国共産党は今週、全国人民代表大会の年次総会を開催する予定である。
世界中で250万人以上を殺害したコロナウイルスは中国湖北省武漢市で発生したと考えらえているが、当局はこの主張を却下し、北京2022冬季五輪は感染予防対策を徹底した素晴らしい大会になると宣伝している。
しかし、政治家、弁護士、人権活動家、人権団体などは、チベットのイスラム系少数民族ウイグル族および他の民族に対する当局の人権侵害を厳しく非難し、オリンピックスポンサー、スポーツ連盟、政府、選手に出場をボイコットするよう圧力をかけている。
郭氏は記者団に、北京2022冬季五輪への反対運動は何の意味もなさないと述べた。
郭 偉民氏
「一部の外国の政治家は、北京冬季オリンピックの準備と開催を妨害しようと画策し、スポーツを政治化し、ボイコットを呼びかけていますが、これらの行為はオリンピックの精神に反しています。国際社会はボイコットを支持せず、失敗する運命にあると私たちは信じています」
カナダの庶民院は、中国のウイグル人大虐殺を認定する決議案を「賛成266-反対0」で可決し、国際オリンピック委員会(IOC)に会場を変更するよう求めたが、IOCは沈黙を守っている。なお、オランダ議会も同様の決議案を可決している。
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官も前政権のウイグル人大量虐殺認定に賛成したうえで、「中国はウイグル人を虐殺したと信じている」と述べた。
郭氏は、コロナワクチンやその他の支援物資を世界に提供することで中国の評判を上げ、武漢市コロナ起源説と感染急拡大時の対応の誤りをうやむやにしようとしているという憶測を嘲笑し、「コロナが武漢市で発生したという証拠はありません」と述べた。
郭氏によると、中国は69ヵ国と2つの国際機関に約5億回分のコロナワクチンを約束し、28カ国で本格的な接種が始まっているという。なお、当局はシノバックワクチンの臨床試験結果を公表していなかったが、アラブ首長国連邦(UAE)やトルコなどで実施された臨床試験の結果、一定の効果を期待できることが分かった。
中国の当局者は以前、「ワクチンの展開はコロナウイルスがほぼ終息している影響で遅れているが、6月までには人口の40%に摂取できる」と述べている。
英BBCニュースは、新疆ウイグル自治区の「職業技能教育センター」で中国人によるレイプ、性的虐待、拷問が常態化していると告発したウイグル人女性の特集記事を先日公表した。
中国当局はこの記事を事実無根と却下したうえで、BBCニュースの国内ライセンスを停止している。